オリオンの息子

ペンブルックシャー・マーダー 21年目の真実のオリオンの息子のレビュー・感想・評価

3.7
さすが英国ミステリーと思わせる秀作。

誰もが判っている狡猾なシリアルキラーを追いつめていく特捜班の活躍を追った淡々とした作品。

感心したのは、実に辛抱強い捜査陣、巧妙な殺人鬼に対して焦ることなく手堅い証拠を着々と固めていく努力は称賛ものだ。

やたら銃を振り回す米国警察。直感だけで犯人を追いかけ、人権なんて知ったこっちゃないという某国とは違って、英国はどんな悪党にも人権を保障し、時には捜査の支障をきたしてもそれを実行するという精神には敬服ものだ。

見込みだけで容疑者を引っ張り、机をたたき、自白するまで保釈をしないと裁判所とも連携する某国の司法関係者に見せたい。

地味な展開であるが、脚本・演出が優れているので最後まで引っ張っていき、飽きさせない出来である。

サムネを見たらアントニオ猪木が出演しているのかと思った。