このレビューはネタバレを含みます
「誰だって、1つや2つ誰にも話せない過去くらいある」
11年間のひきこもり生活を経験した主人公・上嶋陽平(佐藤二朗)は、ひょんなことから公立中学校の非常勤講師となり、不登校の生徒が集まる特別クラス「STEPルーム」を受け持つことに。
複雑な家庭環境、経済苦、クラスの中での居場所のなさ…一筋縄ではいかない中学生の心に深く分け入り悪戦苦闘!
これは、新時代への不安と向き合いながら社会とのつながりを模索する大人と、子どもたちの物語。
第1話「はじまりの一歩」
第2話「ようこそ!STEPルーム」
第3話「いじめの法則」
第4話「戦場」
最終話「できる、できる、できる」
福田雄一作品の影響で佐藤二朗=あの演技だよねというイメージが色濃いですが、本作品は違います。
(この作品とは関係ないですが、ドラマ『わたしたちの教科書』での佐藤二朗さんの演技を思い起こす)
特に「学校なんか、来なくたっていいんだ!」のシーンと、本当の事が言えなかった自分への怒りのシーン(3、4話)には心を揺さぶられました。
今後もおそらくいつもの"あの“佐藤二朗が求められていくとは思いますが、是非ともこっちの佐藤二朗さんを見る機会が増えるといいなと改めて感じました。
最終話にコロナ禍を絡めたことでテーマが大きくなり過ぎた気もしますが、それを差し引いても繊細な問題(いじめ、生徒と教師の両側の視点・苦悩)に向き合って切り込んだ(一石を投じる)良作ドラマだったのではないかと思います。
【胸に刺さった言葉】
"大人がそんなじゃ、子供はいつまでたってもしんどいままなんだよ。
私たちのために…。まず大人が幸せになってよ!“
"どんな気持ちで毎日学校に通っていたか傍目には分からなかったですよね。彼にとっては戦場に行くようなもの。引きこもっていた人にとってはそれぐらいのことなんですよ“
"それは誰にとっても簡単なことではないです“
"いえ、します。無理をします、しなくちゃいけないんです“
"逃げることで救われることも、ある。
でも、逃げたままずっと生きていく訳にはいかない。だから、ほんのちょっとだけ、ほんの一歩だけ…“
"学校にも家にも居場所がない“
"(いじめはなくせないんでしょうか?)
なくせないし、なくならないわね。子供たちがみんな神様にでもならなきゃ、いじめはなくならない。ていうか先ず大人が神様にならなきゃね“
"私、なんで教師になったんだろう。何の為に教師になったんだっけ“
"もう、諦めるのをやめませんか。
「できる」と思っていい。
「できる」を選んでいい。“
"違うと思います。人間関係の問題じゃなくていじめだと思います“
"苦しかったら学校なんか来なくていいんだ。
苦しかったら、苦しい時は、学校なんか、来なくていいんだ。
学校なんか、来なくたっていいんだ!“