ヒロシー

ハウス・オブ・ザ・ドラゴンのヒロシーのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(2022年製作のドラマ)
4.5
圧倒的な画のクオリティ、歴史書的な原作から膨らませた脚本、相当な予算の基に作られた大迫力のドラゴン、何よりも各キャストの素晴らしい演技。画面に目を釘付けにするには十分過ぎる。ターガリオン王朝の全盛期、絶対的な力を持っていた彼らが如何にして衰退していくか、その大いなる序章。レイニラとアリセント、お互いの誇りにしていたものが肥大化し、大きな亀裂となっていく様はスローペースながらも鬼気迫るものがあった。その大人達の思案に次ぐ思案の結果、子供達がどんどん毒されていくのも辛かった。世界同時配信となったお陰で海外のミームも存分に味わえた。シーズン2が待ち切れな過ぎてどうにかなっちゃいそうだ。

それにしても……。ディズニープラスの台頭により、ある映画の派生作品やその中のキャラクターの過去の物語、スピンオフや前日譚が乱立されていくことになるのは想像できていたし、そのほとんどがファンの囲い込みが目的でクオリティーが二の次なのも悩ましいことだが、時代の流れなのだから仕方ないと思っていた。その中でここ数年圧倒的なクオリティーを見せつけたスピンオフが『ベター・コール・ソウル』であり、その翌週から始まったのが『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。BrBaとGOT、史上最高のドラマは何かと聞かれると絶対に名前が上がる2強のスピンオフの奇跡的なリレーは、数多の見る価値のないスピンオフ作品を歯牙にも掛けず、番外的作品とはこうあるべきだというのを堂々と示してしまった。ピークTV時代の荒波を駆け抜けた作品の底力を見せつけられた気分だ。
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