空

ガンニバルの空のレビュー・感想・評価

ガンニバル(2022年製作のドラマ)
4.8
想像を遥かに超えて素晴らしかった!!
日本のドラマ最後まで完走したの5年ぶりくらい。めちゃくちゃ面白かった。特に後藤家の人間関係や大悟の過去とリンクして描かれる4話からがぐっと深みが増して面白くなる。

メイン演出がポン・ジュノ監督の助監督を長年務めた片山慎三監督で、韓国ぽいテンポの良さと続きが気になるエンタメ感ありつつ世界配信を意識した日本らしい描写や日本の良いところが詰まってた。4・5・6話は当時深夜ドラマしか撮ったことのない若手監督さんらしいんだけど、3話から4話のバトンタッチも全く違和感なかった。

予告でチープなオカルトスリラー想像してたけど(ごめんなさい🙏)全然違った。映像、演出、編集、アクション、ストーリー、役者さんの演技…全てのクオリティが高かった。

予告のゾンビほとんど出てこない。日本の山奥の村を舞台に、村社会の排他性や閉塞感、異常なまでの結束感等を描いた濃密な人間ドラマ。
「個は捨てろ。個は家族を危険に晒す。捨てられん時は死を選べ」6話ラストの倍賞美津子さんの演技は圧倒された。あの貫禄すご😳

ストーリーはゾワゾワするのに映像は神秘的に美しい。森林、田園、川、渓谷、夜の川辺の蛍、豊かな日本の自然と夏祭り、木造家屋と囲炉裏、袴と着物、神社。岡山の方言もいい。
全編通じて統一された映像の質感と色味はジメッとする不気味さを感じさせる一方で、村人たちの宴会シーンではドキュメンタリーのようにも見えるのすごい。

正義と狂気と優しい父親の顔が入り混じった正義感と暴力性が同居するような柳楽優弥は魅力的すぎたし、
日本のドラマご無沙汰だったので初見の若手俳優さん特に後藤恵介役の笠松将さんと宮司役の田中俊介さんの存在感は印象的だった。日本にも魅力ある若手俳優いて嬉しくなる。
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