空

罪夢者の空のレビュー・感想・評価

罪夢者(2019年製作のドラマ)
3.9
チンピラ3人と自閉症の弟が罠にはめられ死刑囚となってしまうことから始まる台湾ノワール×ダークファンタジー×ノスタルジー

という、一風変わったネトフリオリジナル台湾ドラマ。

純粋ノワールでいったら韓国にはかなわないけど、ダークファンタジー×ノスタルジーという、一見ノワールと対極にある要素を取り入れたことで作品全体のクオリティを上げることに成功してる。

古き良きノスタルジックな映像と、毎回必ず流れる台湾歌謡曲の音楽も素晴らしく、これがチンピラ3人の泥臭さと少年のような自閉症の弟とが化学反応して、なんか泣けてくる。
毎回ラストがブラウン管で見てるみたいな質感の映像と無音のエンドクレジットもお洒落。

主人公のチンピラを今風イケメンじゃなくて、一昔前の男前の顔した俳優😅をキャスティングしたのも良かったし、韓国ノワールの名作『オールドボーイ』のあの長回しワンカットのアクションシーンを意識したかのような、中華料理店でのアクションは痺れた。

主人公の夢のシーンで必ず流れるエリック・サティのピアノ曲「グノシエンヌ第3番」の幻想的なシーンは『世にも奇妙な物語』の世界観のようだったし、これら全てが融合してるのがすごい。

ただ脚本は所々ツッコミどころあるのと、視聴者の解釈を必要とする難解さあり。特にラスト誰か解説して欲しい。

多くのレビューにある通り、ラスト2話のグレッグ・ハンが格好良すぎて主人公食っちゃってた💦
新人刑務官のグレッグハン、船上のバーでタバコくわえながらピアノ弾くグレッグハン、ボーイズ相手にサディステックなグレッグハン‥
前半と後半のギャップすごすぎ。

初の台湾ノワール、復讐劇だったけど、韓国ほど復讐のネチっこさとか男同士のぶつかり合いの感情の高まり、熱がないのが、日本と近い感じがした。あ、韓国が特殊なのか。
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