Joey

恋せぬふたりのJoeyのレビュー・感想・評価

恋せぬふたり(2022年製作のドラマ)
4.0
昔は会社に行くのは嫌ではなくて、朝は辛くて遅刻の常習犯だったけど、何だか大学の研究室の延長線という感じが心地良かった。でも、いつしか結果が厳しく評価してされ、果てしない成果が求められるようになった。もちろん、それは会社が生き残るために必要なことで、利益が上がらないと、楽しく過ごした仲間達は切り捨てられる。だから、自分を、周りを厳しく律しないと同じ空間で働くことはままならない。営利企業で働くのは辛いけど、やっぱりお金は必要で、無機質でやり過ごそうと割り切るしかない。これは美しい生き方じゃないな。

タカハシの生き方に憧れる。祖母との思い出が詰まった家に暮らし、何も語らない瑞々しい野菜と働き、理解のある愉快な同居人がいる。でも、楽しい事と同じ量だけ辛い事は用意されていて、どこまで行っても思い通りにはならない。アロマンティック・アセクシュアルであることが悲しい事とは思わない。本人もそうは思っていないだろう。周りが勝手に悲しんでいて、そんな周りの姿を見る事で自分を責めることになる。恋愛は無くても、友愛はある。恋愛には嫉妬などの負の感情が付き物で、決して美しいものなんかじゃない。だから、純粋に、打算など欠片もなく、人を野菜を愛せるタカハシは美しい。
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