オレオレ

エセックスの蛇のオレオレのネタバレレビュー・内容・結末

エセックスの蛇(2022年製作のドラマ)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

主題が何かわからず、金返せ!って感じ。
サブスクなんだが。

お金持ちの夫を亡くしたばかりのコーラ(クレア・デーンズ)。
ロンドンのタウンハウスに、友人のような召使のような子供の教育係のようなマーサと暮らしている。
そんな中、エセックス地方にサーペントが出る、という新聞記事を読み、「ちょっくら行くか!」と息子とマーサを連れて旅立つんだが、そのエセックスで出会うのが牧師のウィル(トム・ヒドルストン)。
知り合いの知り合いの未亡人が来る、と言われていたウィルは年寄りを想像していたが、やってきたのはうら若いアメリカン(いや、英国人という設定なんだが、クレア・デーンズがどう見てもアメリカ人)。
およよ、と思うウィルだが・・・

一方、ロンドンでコーラの夫を診ていた医者のルークは野心的な外科医で、当時としては画期的な心臓手術をインドからの移民に行い、成功させる。
一躍有名になるが、コーラのことも気になっていたルークはこれまたエセックスに行くようにもなり・・・

はい、ご想像通り、この辺からモテモテコーラの大冒険、になってしまい一気に見る気が失せる。
タイトルのサーペント、「蛇」という意味なんだが、スネークではなく、聖書でアダムとイブを唆して禁断の実、リンゴを食べさせたあいつのこと。
学術的にサーペントもスネークも違いはないらしいが、要するに、「邪悪なもの」「よくない誘惑」「原罪」といった宗教的意味合いを持つスペシャル蛇。
そんなサーペントを信じる田舎の宗教かぶれな村人たち(言い方が悪いが、科学より聖書に重きを置く当時の村社会)、19世紀後半なのに社会主義に目覚めて「貧乏人にも清潔な水を!権利を!」と叫ぶ活動家マーサ、半分黒人の血が入ってそうなルークの同僚医師のスペンサー、そもそも同性愛をにおわせるコーラとマーサの関係、こういってやたら設定が凝っていてもっと社会性の強いドラマかと思いきや、モテモテコーラの恋愛要素が入ってきて萎える。
教会の椅子に蛇が彫られている意味だとか、暴力的な夫につけられた傷だとか心理的トラウマとか、もっとなんかあるやろ!

田舎の人間=狂信的、みたいな19世紀の描き方をするくせに、上流階級の奥さんが気が向いたら列車にホップオン、エセックス行ってくるぜ!とか、人前でダンスしまくり、とか当時じゃありえんだろう?と思ったり。
トムヒがコーラのバースデーパーティにタキシードで登場する場面で興ざめ(しかもダウントンアビーとかで見るような、ジャケット下に着るプラスチックみたいな真っ白い胸当てみたいなあれまで着ている。女房は木綿っぽいのしか着てないのに)。
そもそも、よそもんの自分(コーラ)がよその土地で自分のためにバースデーパーティ主催するかね・・・
最後にはサーペントの正体まであかされて、なんかなあ・・・だったし。
普通に、「罪悪感の発露」とかのがよかったでしょうに。