オレオレ

すべての見えない光のオレオレのレビュー・感想・評価

すべての見えない光(2023年製作のドラマ)
2.5
まあなというか、やっぱりというか、惚れた原作の映像化を見ると、たいがいガッカリしますよね。「ザリガニ・・・」本の映像化よりはガッカリ度は低かったけれど。
なんなら私に作らせろ!といえないのがつらい、(笑)

第二次大戦も終わりに近づいたフランス。ドイツ軍に占領されたパリから親類をたどってサン・マロにたどり着いたダニエル(マーク・ラファロ)と盲目ながら自立心旺盛なマリー(アリア・ミラ・ロベルティ)親子。
パリの美術館で鉱石などを管理していたダニエルは、ドイツ軍に収蔵品を取られないよう手配した後に娘と逃げてきた。
サン・マロにいるのはダニエルの叔父エチエンヌ(ヒュー・ローリー)とその姉。パリから400キロほど離れたサン・マロにも、ドイツ軍は押し寄せてくるが、1944-1945、ノルマンディーに上陸した連合国が勢いを得、アメリカの応戦も始まる。
一方、ドイツ軍に無線員として従軍する孤児のヴェルナー。敵と味方のこの二人に共通すること、それは、幼いころから聞いていた同じラジオ放送とそのナレーターである「プロフェッサー」。
現在、その周波数からは女性の声で、反戦、平和の価値などが語られており、ヴェルナーにはその発信源を突き止めるよう命令が下される。
そんな中、ダニエルが隠した巨大ダイヤモンドに憑りつかれたSS将校がマリー父娘を探し当て・・・と、ラジオ放送、ダイヤモンド、敵、味方、戦争の終わりがサン・マロに集まってくる。

4話にまとめてあるため、原作の途中からが映像化されている感じ。
街の模型、マリーとヴェルナーのラジオに関する情熱、ヴェルナーの妹の重要性、ヴェルナーの軍隊でのつながりなどがやっぱり薄いと思った。あと、やっぱり二人が会うのか会わないのか、というメロドラマ部分が弱かった気がする。
というかエンディング、あんなのだっけ?寝食を忘れて読んだ原作だが、すっかり忘れてしまった・・・

ところで、マリー役のアリア、実際に盲目(もしくは弱視)だそうな。両手で、しかもすごい速さで点字の本を読むのがびっくり。オーディオブック以前、オーディオブック以外だとああなるのか!