森下佳子さん脚本NHK製作の大奥。
キャスト出る前なら期待してたのに、正直に言えば、キャスト思った感じと違ったなとがっかりしたのだけど、始まったら謝りたい。
どの時代のどの組み合わせも素晴らしく良かった。
男女逆転大奥。
若い男子ばかりが罹る病気で男性が減る中、容姿端麗な男性を大奥に囲うことが贅沢だなんて狂った世界だなと感じる1話も有れば、
3話くらいからは堀田真由演じる家光側の悲しみや苦しさも感じられて、掻き乱される。
3話のちえちゃんの笑い泣きは良かったかなぁ。
福士蒼汰のあの薄らと微笑みを浮かべた表情の、その内に積み重なっていく絶望。
有功が僧侶というのと重なってばっちりのキャスティング。
家光編が異常に良かったので、バトンタッチに不安もあったけど、
綱吉編はエグさが煮詰まっていて、衝撃的。
NHKにしては攻めた場面の数々も、この物語で伝えたい地獄を見せつけるには恰好の映像だった。
1番しんどい。綱吉が明るく見えるからこそしんどいし、無邪気な老害玉永もしんどい。
山本耕史の信用出来なさも健在ではある分、賢い倉科カナの存在が支えになっていたりもする。
将軍を支える立場で言えば、島津久光も同様。
男女逆転という設定なれど、歴史上の出来事や人物はばっちり通るので、歴史好きにもたまんない。
女性たちが、歴史上の有名な人物として活躍してる、それが当たり前だと思える。
赤面の治療に併走する吉宗編は、吉宗個人だけでなく、次の世代へのバトンタッチになっていて、疾患のある時期将軍を演じた三浦透子はもちろん、彼女を支えるタツ、田沼意次の當真あみちゃんの透明感と光が非常に良かった。
秋にシーズン2の放送が決定。
三谷幸喜の地獄大河ドラマが終わり、古沢良太のライトでハートフルな大河が始まった時期だったので、あの頃のしんどさを思い出させてくれる良作ドラマでした。
