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大奥 Season2のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

大奥 Season2(2023年製作のドラマ)
5.0
8代将軍・吉宗(富永愛)の赤面疱瘡撲滅の意志を受け継ぐ老中・田沼意次(松下奈緒)は、蘭学者の平賀源内(鈴木杏)と青沼(村雨辰剛)と大奥の中臈の黒木(玉置玲央)に赤面疱瘡撲滅の療法を研究するよう命じる。
平賀源内たちは、田沼意次と一橋治済(仲間由紀恵)の権力闘争に巻き込まれる。
田沼意次たちの赤面疱瘡撲滅の志は、黒木と徳川家斉(中村蒼)に受け継がれ、赤面疱瘡撲滅を目指す「医療編」。
赤面疱瘡撲滅後、男の力が復権された徳川の世の中で泰平の世を保つべく奮闘した徳川家定(愛希れいか)と天璋院(福士蒼汰)、徳川家茂(志田彩良)と和宮(岸井ゆきの)が江戸城無血開城に奮闘した「幕末編」。
よしながふみの同名コミックを元にしたドラマの完結編となるシーズン2。

前半部分は、田沼意次の意を受けて平賀源内や青沼たち蘭学者が、黒木たち大奥に仕える男たちに蘭学を教え、共に赤面疱瘡撲滅する療法を研究する医療チームものと、次の将軍に自分の息子をすえようと狙ってる一橋治済と田沼意次の権力闘争が組み合わさった展開では、「人の命を救う」「女でも蘭学を学べる世の中にする」という青沼や平賀源内たちの純粋な志が一橋治済の冷酷な権力欲に踏み躙られる展開に心が痛くなりながらも、青沼や平賀源内や田沼意次の赤面疱瘡撲滅の志を受け継いだ黒木が徳川家斉が自らの権力を保持しようとする一橋治済の妨害工作に負けず赤面疱瘡撲滅する療法を確立し「人痘接種」を実施し一橋治済を倒す展開が、青沼や平賀源内や田沼意次と黒木の赤面疱瘡撲滅という志を持った者たちの身分や性別を超えた絆と鈴木杏たちキャストがキャラクターの心の襞を森下佳子の脚本に込められたエッセンスを汲み取り丁寧に演じた脚本の余白を埋める熱演で描かれていて、清純派のイメージが強い仲間由紀恵が演じた一橋治済のサイコパスぶりもあり、痛快な医療チームものならではの痛快な醍醐味と熱い感動があった。
実父から虐げられていた家定を守り救う為に好きなお菓子作りを一緒にして安らかな時間を過ごして家定の傷ついた心を癒し、大奥総取締に瀧山(古川雄大)を抜擢し家定を守る大奥を作り家定を補佐する阿部正弘(瀧内公美)と次第に身分を超えた信頼を正弘に寄せる徳川家定、徳川家茂と和宮の公武合体による泰平の世を共に夢見る身分性別を超えたシスターフッド。
徳川家茂や家定を支える瀧山と実篤の身分を超えた友情、実際の歴史をジェンダーレスの目線から再解釈した絶妙な展開、泰平の世の中や性別身分から解き放たれる世界への祈りを込めた見事な最終章だった「幕末編」。
鈴木杏、村雨辰剛、玉置玲央、松下奈緒、仲間由紀恵、愛希れいか、瀧内公美、古川雄大、志田彩良、岸井ゆきのなど演技派俳優陣の演技と身分性別を超えた強い絆に毎回心揺さぶられ、大満足の男女逆転大奥完結編。
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