一般人がひょんなことから裏社会と関わってしまうおかしさを描いてきたこのドラマが、とうとうマフィア同市の抗争をメインに据えた。しかし全編に溢れるブラック・ジョークはキレッキレ。むしろ一般人のほうがおかしい奴らばっかりで楽しい。その中でひたすらかっこよかったのがベン・ウィショー。見せ場はどれも最高。
クリス・ロック自ら過去最高の役だと豪語したロイ・キャノンの物語はおかしくも悲しい。ジョージ・フロイド殺人事件の判決が昨日出たばかりだが、世の中は50年代のこの頃から進歩したのだろうか。ラストシーン、はっきりと歴史が繰り返されていることが明示され、思わず息を呑んでしまった。あいつの末路は見た当時はおかしかったが、今ではもう笑えない。
個人的に9話が最高。だけど、『ワンダビジョン』でも思ったけど、ああいうエピソードで全話勝負することはやっぱり今の時代は難しいんだろうな。改めてデヴィッド・リンチはすげぇ。
