「ブラッシュアップ・ライフ」「今夜すきやきだよ」「シスターズ」好きな人にオススメ。大金を手に入れた女性3人がケアし合って共に幸せを掴もうとするシスターフットもの。劇中何度も「一緒に幸せになろうね」「一緒に生きていきたい」と繰り返され、主人公たちは恋愛や異性婚ではなく共に生きていける（同性の恋愛関係のない）パートナーを選ぶ。近年、既存の家族の関係から脱して自らが血縁に縛られない新たな家族を選び作っていく「chosen family」的な物語が量産されているが、このドラマも例外ではない。自分にケンタという男の名前を付ける岸井ゆきの、少年時代に女子と遊んで女男などといじめられた岡山天音、「恋愛気持ち悪いからしたくない」と話すめるること生見愛瑠。さりげなく多様な性のあり方を登場人物が表明している（因みに岸井ゆきのは「恋せぬふたり」でアロマンティック・アセクシュアルを自認する主人公を演じている）。特に岡山天音の演じたような役はドラマに出てきた覚えがない（「怪物」は子供だった）。シスターフットでありながら、ホソモな男社会に疲弊した男性の救われる道を示したメンズリプ的でもあるという凄み。コンビニでアイスを食べたり、「今、うちら中学みたいに人生やり直してるみたい」ってまさに「ブラッシュアップ・ライフ」じゃん。しかし正直最終回に主人公3人がウエディングドレス姿で駆け寄って来て「やっぱみねだわ」とか言うシーンには落胆した。結局異性愛に結実させようとするのかよ。最低だ。妄想シーンならば余計にいらない。それにしても岡田惠和さえこういうドラマを書くようになるとはね。あとローソン、しろくまアイス、くじらの宝くじなど実在する商品がこんなにばんばん出てくるドラマ初めて見た。
