うめまつ

高慢と偏見のうめまつのレビュー・感想・評価

高慢と偏見(1995年製作のドラマ)
4.0
私はこれまで本作を見ずに「コリンファース格好良い♡」とか言ってたのか。もみあげ生やして出直しなさい。言うに及ばず、あの語り継がれている伝説のプロポーズに身悶えて顔に猫を埋めたし、首を1mmでも出したら死罪なのかってくらい詰まった襟にも満足だし(川で泳いだ後薄いシャツ一枚になっただけで慌てる詰襟派)、初対面の人と気楽に話す才能がないくせに、やたら瞳をキラキラさせて一途に迫ってくる頑なダーシーに、200年も前から好みをがっちり掌握されているという事が骨身に沁みてわかった。

ただ冷静になって周りを見渡してみると、嫌な奴、駄目な奴、気持ち悪い奴、胡散臭い奴、面倒くさい奴、がゾロゾロ出て来てしかも最終的にほぼ身内になっちゃうもんだから、世紀の恋を手に入れたとしてもなかなかに地獄であるな、と思った。人生は長いのだ。

あと貴族の話を見といてなんだけど、未婚女性の日常といえば手習いのピアノ、刺繍、読書、花摘み、お喋り(主題:結婚)。。みたいな感じで召使もいるから家事もしないし、お隣さんちの舞踏会へ行ってはしゃいだり、誰とダンスを踊るか踊らないかに一喜一憂したり、特に用もないけど近隣へバカンスに行ったり、多分あんまりやることもないから豪華なお屋敷を観に行ったり。。。てな感じなので、当時の上流階級ではこれが当たり前なんだろうけど、スーパーで今日は茄子が食べたいけど高いな〜とか悩んだりしてる自分の庶民生活とのコントラストが凄い。(当たり前) でも《より財産を持ち、より身分が高い相手と何が何でも良縁を結ぶべし。それ以外女に価値なし》の世界は退屈な上相当息苦しいので、野菜の値段に一喜一憂している生活の方がやっぱりいいな。
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