ねまる

ケの日のケケケのねまるのレビュー・感想・評価

ケの日のケケケ(2024年製作のドラマ)
3.9
マイノリティにとって大きな障害は、
みんな同じルールを求められる学校かもしれない。

"無理なものは無理なんです"
健常者が出来るからって、頑張ればできるでしょ?我儘でしょ?と言われる残酷さ。
どうして当事者ができないと言ってるのに、健常者の感覚で出来ると言うんだろう?

我儘とは思うのに、同じマイノリティの中で1人でも出来る人がいると、あの人は出来たという。
そのことには、大事なものを守るために無理をしている、とは思わないんだよね。
確かに中には出来るようになることがあるかも。あったら嬉しいけど、求めているのは寛容さではなく、自分で選べる自由だから。

「本来なら部活動を続けることが出来た生徒まで、
この同好会に入ることでやめてしまうかもしれない」
そのまんまLGBTQ関連の文脈で聞いたことがある。だとしても、その何が悪いことなんだろう。
部活動を頑張りたい人は頑張ればいいし、そう出来ない人はそれを選ぶ自由があっていい。

ただ、私もその気があるんだよね。
頑張れるなら頑張ったほうがいいと思っていて、
他人から頑張らなくて良いじゃん、って言われるとむしろ怒りを感じるタイプ。
 
だって、頑張るに、大きさは無いよね。たとえその同好会が頑張らないをテーマにしていても、あまねも琥太郎もどう見たって2人とも大事な人を守るために頑張ってるから。
それは大きさを比較されたり、強要されるものじゃない。

この世の中は競争社会。立ち止まると周りが高速に感じる。
それでも、自分も守るために立ち止まる、立ち止まることを選べる勇気をくれる、そんな温かな作品だった。
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