三英傑を脇に置いて黒田孝高を主人公にしたのだから仕方ないのだが、なにかといやいやそこまで重要人物だっけ？と感じてしまうところはあった。三成は十月一日に如水のこと気にしてなかったと思うよ。
秀吉が官兵衛の気立ての良さをあの世に持って行ってしまったあと、史実から離れて戦闘魔人みたいになっちゃって、うわ活き活きと侵略してるわね...と若干引き気味だったのだが、いいタイミングで関ケ原の戦いが終わり、長政が出世し、しっかり跡を継げるように育っていてよかったね、というきれいな終わり方だった。戦国時代の地方大名を主役にした大河としては及第点ではなかろうか。史実の点と点をつなぐ独創的な人間ドラマがあったかというとなかった気がするが。
本作での岡田准一と中谷美紀はいまいち表情のバリエーションが少なくて飽きがくるところがあったが、有名どころが入れ代わり立ち代わり登場するので楽しめた。通しで出ていたひとでよかったのは濱田岳。抑揚がある。ちっさくて可愛らしいし。吉川元春と小早川隆景のおっさん兄弟もいなくなったら寂しかった。NHKには『毛利元就』の配信をお願いしたい。
