このレビューはネタバレを含みます
『START×RETRY』
脚本:バカリズム
「人生とは分岐点の連続である。人は日常生活において様々な分岐点に遭遇し、選択を迫られる。
それは、その後の人生にさほど影響を及ぼさないものから生死に関わるほど重大なものまで…。
一度、選択を誤ったら、後戻りできないのが人生である。もし、そんな人生の分岐点に戻ることができるとしたら、あなたならどこに戻りますか?」
誰しも一度は考えたことがあるであろう、あの時こうしていれば…。過去に戻れる不思議なタクシーの運転手・枝分(えだわかれ)が後悔を抱えた乗客を人生の分岐点へお連れする物語。
たられば、自分の選ばなかった選択肢の方が必ずしも幸せ、正解だったとは限らない。
たとえ間違いだったとしても、終わりではなく、そこからまた新たな選択肢が広がっていく。
(正解、不正解という括りではなく、そういうこと全部含めて人生)
・竹野内豊さんの演じるキャラクターが絶妙で、この設定を違和感なく成立させている
・一話完結の見やすさ、SFと現実、ストーリー毎に合わせた演出、等身大パネル
・芸人でもあるバカリズム脚本ならではの世界観、伏線、見事な構成
なによりバカリズムさんの脚本って、どの話も嫌な気持ちにならないのが好きですね。
[主人公]
選TAXI運転手、枝分(竹野内豊)
[cafe choise]
バカリズム(カフェ店長)
清野菜名、南沢奈央(店員)
升毅(常連客)
1「男と女の選択肢」
安田顕、小西真奈美
2「今と昔の選択肢」
仲村トオル、間宮祥太朗、柳生みゆ
3「愛と人の選択肢」
木村文乃、中村俊介、苗木優子
4「金と欲の選択肢」
勝地涼、真野恵里菜
5「女と女の選択肢」
吉田羊、袴田吉彦、浅見れいな
6「おひとよしの選択肢」
栗山千明、臼田あさ美、三宅弘城
"優しくない優しさだってある“
7「嘘と真の選択肢」
貫地谷しほり、葛山信吾
"今のお客さんの状況って、いろんな巡り合わせが重なってできてると思うんですよ。それは良いことも悪いことも全部ね“
"だったら、それも含めて謝ればいいじゃないですか"
8「夫と妻の選択肢」
津嘉山正種、左時枝
9「罪と罰の選択肢」
高橋努、梶原善、aiko
10「君と僕の選択肢」
奥田恵梨華
"このままで大丈夫です。彼女の3ヶ月をゼロにはできませんから“
主題歌:aiko『あたしの向こう』
あと一度変われたらならこの道をあたしはどうやって歩いただろう
振り返ったら後悔が巻き付いてきそうだから もう見ない♪
(余談)
このドラマと直接関係はないですが、好きな作家である伊坂幸太郎作品の台詞より。
「過去のことばっかり見てると、意味ないですよ。車だって、ずっとバックミラー見てたら、危ないじゃないですか。事故りますよ。進行方向しっかり見て、運転しないと。来た道なんて、時々確認するくらいがちょうどいいですよ。」