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デアデビル シーズン1のHALのレビュー・感想・評価

デアデビル シーズン1(2015年製作のドラマ)
4.5
シーズン1の序盤、マードックが少しずつデアデビルとして自分を錬成していく過程や、フィスクが裏社会で苦労しながらヘルズキッチンを支配していく道のり、後半法律事務所の相棒に自身の正体がバレてしまい一話まるまる喧嘩するところなど、全ての物語が非常に丁寧に語られており、毎回見始めるといつのまにか襟を正して食い入るように見てしまった。

それだけに後半マードックとフィスクが直接対決に向かう流れはやや性急に見えてしまい、一気にカタがつくのは勿体ないと感じてしまった。そして物語と同様にアクションがいい。第2話ラストの長回しアクションはMCUの他作品と比べても遜色ないどころか抜きん出た緊張感が漲っている。

そして、今作を何より傑作たらしめているのは、フィスクを演じたヴィンセント・ドノフリオの圧倒的な存在感によると思う。彼が『フルメタル・ジャケット』であの「微笑みデブ」を演じた俳優だと知った時は、驚いたと同時に非常に納得してしまった。現にシーズン1はマードック以上にフィスクの出自やのし上がりが丁寧に語られる。ある女性にまつわる描写では最早マードック以上にドラマが描かれる。

フィスクはシーズン1で一旦退場するが、シーズン3で戻ってくるらしく、観るのが非常に楽しみ。また、これは望み薄だろうが、これからやるMCUのスパイダーマン新作でデアデビルがクロスオーバーするのではないか?という噂があり、ヴィンセント・ドノフリオは「フィスクは私のものだ」と息巻いているらしい。たしかに、これを見てしまうと彼以外のフィスクはもう考えられない。
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