Relishi

白い巨塔のRelishiのレビュー・感想・評価

白い巨塔(2003年製作のドラマ)
4.6
非常に面白かった。
息もつかぬほど、観始めたら全く止まらない。そして、面白くない回が一話もない。
ある種完璧なドラマだったと言える。

財前(唐沢寿明)と里見(江口洋介)、相反する思考、性質、倫理観、それぞれの正しさが均等に描かれ、そして、どちらにも感情移入することができた。
財前という人間性の愚かさが浮き彫りに描かれ、いわゆる悪役であるにも関わらず、のしあがるところが見たいし、哀れに思え、まるで憎むことができない。
深いところで、二人それぞれの持つ能力の高さをお互い尊敬し合い、繋がり合う。
師弟関係や、恋愛関係、それぞれの人間模様も胸に差し迫る物語を孕み、無駄のない作り込まれた作品。

演出力も際立ち、教授の回診シーンより毎話始まるが、大学病院の構図と得体の知れなさがその場面に凝縮されている。
音楽の効果も高く、高揚感が途切れることなく観進められた。

この年齢で再見したのが恐らく良かったのだろう。人生に一度は観てもらいたい作品。
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