院長の転落死という衝撃のオープニングからの、大学病院経営が民間企業に渡ってからの組織改革の物語を、救急の中堅医師イ・ドンウクの目線から語る。全20話で1話1時間超。内容が内容でなかなかのボリューム。
チョ・スンウが巨大企業から派遣された病院の新社長。
ムン・ソリ、ユ・ジェミョン、ウォン・ジネ、イ・ギュヒョンなどなど、『秘密の森』のぺ・ドゥナ抜き以上の豪華出演陣である。皆演技巧者で見応えがあった。特に副院長のさながら一人舞台演技は圧巻だった。課金しても見た価値があったしまた見直したい。
医療過誤の隠蔽、過剰診療、メディアへの圧力、医師としての尊厳と同調圧力とのせめぎ合い、障害者医療・移植再生医療等々が、救急の現場をむしろ完全なる背景として、企業目線と医療側の目線とで過剰な演出も特になく粛々と表現される…のだが、
韓国ドラマや映画をいくつか見てみて、基本的に対立構造を経て前進する国民性なのだなあと感じている。本作も描き方は抑え気味でも根底はドラマチックである。
ウォンジネがヒロインなのはこの設定だと若過ぎとか、イドンウクとイギュヒョンのBLさながら映像とか、イドンウクが仕事やってないとか、大学病院なのにたかが異動に文句言い過ぎ(基本的に異動して腕を磨く職業)とか、気になる面もなくはないが、概ね医療の理想と現実をうまくドラマに取り込まれている印象である。
