花の都フィレンツェのルネッサンス期を開花させたメディチ家。
世界一好きな都市のひとつ。
開花する前のつぼみの時期、黎明期の当時の衣装、美術、建築、文化、生活、トスカーナの風景を観れる。
例えば、当時はまだフォークはなく、ナイフ1本で食事をしていた。
シーズン1では、メディチ家絶頂期のロレンツォの祖父コジモの若き姿をリチャード・マッデンが演じる。
観ない理由が見当たらない。
リチャード・マッデンのコジモも期待を裏切らない。
ただ彼が演じるコジモ自身には、さほど魅力を感じない。
一方妻コンテッシーナは、観ている方が身につまされる。
彼女は与えられた場所で懸命に花を咲かせようとする。自分自身のではなく、嫁いだ家のだ。
自分が望んだ婚姻ではない。
しかも何度も辛酸を舐めさせられる。自分の夫に。
これほど辛いことがあるだろうか？
それでも彼女は逃げないし、放り出さない。
歴史上に名を残さなくとも、歴史を支えた人間はいる。
どこまで史実に忠実なのかは分からないし、傑作とは言わないが、観る価値がある。
歴史ものが好きなら。
フィレンツェが好きならなおさら。
少なくとも円蓋のない大聖堂が観れる。
また花の都の栄華の残り香を嗅ぎに、フィレンツェに訪れたい。
