ーcoyolyー

フレッシュ・アンド・ボーンのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

フレッシュ・アンド・ボーン(2015年製作のドラマ)
4.0
良かった。面白かった。
「ポリーナ、私を踊る」や「ネオン・デーモン」とやりたいこと一緒なんだろうけど、主人公の踊りが特別だと誰もが認めるという設定に実際に負けない説得力のある踊りをしていたから世界観にすんなり入っていけた。バレエものでも音楽ものでもそうだけど、実際にいうほどの実力じゃない人で誤魔化そうとすると無理が生じてうまく話に入り込めなくなったりするじゃんか、逆にその言われてる実力に負けないもの見せてくれるとそういう作品って大概他の部分もしっかり作り込んでいい作品になるから、もうそこで良かった。

あとこのドラマ、みんな壊れててみんないい。みんな狂っててみんないい。こういう話で学級委員が出てこないのいい。ああいう偽善者一番嫌いだしセンスねえし田舎でワイドショー見てろって思う。

このドラマは陰口叩かないんですよ、本人の前で堂々と言う。陰じゃない。いないところでも言うんだけど態度使い分けてなくずっと感じ悪い。そこがいい。仲良くない、野心隠さない、ギスギスしてる、でも意外と他人の足を引っ張るための工作もしない。みんな自分と戦っている。品行方正な人いないけど余計なことしなくて品はある。クッソだせえタレコミかます奴もいない。クッソだせえタレコミしたところで誰も相手しなさそうなのとても良い。現実ってそんなクッソだせえ偽善者の学級委員の取り締まりキツくて冴えない感じになるけど、この作品クールで良かったな。結果出してりゃクスリだろうと風俗だろうと何やっても文句言わない世界観良い。いちいちクッソダサく騒ぎ立てようとしたらいくらでも引っ張れるんだよね。こんなクールな世界も現実にはないから実はお伽話なんだけど、「普通の人」に囲まれると窒息死しそうになる私はそんな場所よりはここで生きたいと思った。「普通の人」がいちいち動揺して騒がない、「良い人」に見られたくて工作なんかもしない世界、とても居心地良かったです。
馴れ合い好きな普通の人に合わせるのはもう絶対したくない。隔絶された世界線に私は生きる。

あ、主人公のサラ・ヘイ私と誕生日一緒だったわ嬉しい。

なんでこれシーズン1だけなのかな、面白いのに評判悪かったのかな?と調べたら予算使いすぎで放送前に既に1シーズンだけ、と決められてたとかで笑ったと同時に納得した。バレエ団が金のやりくりに奔走してるのリアルだったのな。ものすごく豪奢な作りだったので、しみったれたもの嫌いな私としては見やすかったけど、お金やっぱり使いすぎてたんですね…
ーcoyolyー

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