ファルコン

ザ・ボーイズ シーズン1のファルコンのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ボーイズ シーズン1(2019年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

過激だしグロいけど、謎が多くてすごく面白かった!音楽も良い。初回からスターライトが性被害に遭うのはしんどかった…。クイーン・メイヴが飛行機に乗っている人たちに助けを求められているのに、ホームランダーに「救う方法がない」と言われて葛藤しながらも見殺しにするところもつらかった。ビリーブ・エキスポでのスターライトのスピーチは痺れた!スターライトとクイーン・メイヴには頑張ってほしい。フレンチーとキミコが心を通わせていくのめっちゃ良かった…。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『インビジブル』に出てたエリザベス・シューとか『タイタニック』に出てたビリー・ゼインとか『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメントとか、結構昔からの映画ファンが喜ぶようなキャストを入れてる。セリフにも映画ネタ多くて楽しい。このドラマの企画/製作総指揮であるエリック・クリプキが企画原案を担当していた、ドラマ『スーパーナチュラル』ファンとしては最終話にジム・ビーヴァーが出てきたのも嬉しかった。この作品はスーパーヒーローの最低な裏の顔を描くことが多いんだけど、スーパーヒーローも、会社に所属していると会社側に作り上げられたイメージを守り通さなきゃいけなかったり、スピーチで言う言葉も台本があったり、スキャンダルが発覚したら謝罪して左遷させられたり、恋人を公表するのにも会社の許可が必要だったり、徹底的に会社に管理されていて色々窮屈な思いをしているというのが興味深かった。この作品を見て「ポリコレ無視で最高!」みたいな感想を抱く人がいるらしいけど、マジで理解できない。むしろちゃんとポリティカル・コレクトネスに配慮される上にエンタメとして最高に面白い作品だと思う。これ、「有害な男らしさ」についてのドラマだよね。クイーン・メイヴが担当してた現場なのに後から来たホームランダーが仕切り出すのとか、ザ・ディープは二番手なのを気にしているっぽい描写があって自分のやりたい活動ができてない中、まるでストレスの捌け口にするかのように新人の若い女性ヒーローにパワハラ・セクハラを働いている。ザ・ディープには専属のカウンセラーがいたくらいだから、以前からメンタルヘルスの問題を抱えていたみたいだよね。ブッチャーがヒューイを「大したタマなしだ」と評するのも、体育会系的な粗暴でパワフルな男らしさがなくても問題と向き合うことはできるし、恋愛をすることができるし、女性(スターライト/アニー)の話を遮ったり否定するのではなく、寄り添って対等にコミュニケーションを取る能力が必要だということだと思う。男性のことはもちろんだけど、女性のことも下に見たりせず人間として尊重するヒューイは、チームのメンバーとしても主人公としても、すごく良いキャラクターになっていると思う。余談だけど、NG集で茶道のシーンで腕にお抹茶こぼしちゃうブラック・ノワールがかわいかった。本編でピアノ弾いてるのも素敵だった!
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