芹沢由紀子

ナルコス:メキシコ編 シーズン3の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

5.0
グはあ!大好きなシリーズが完結しちまったあ!

こっから先は興奮した私がネタバレありーの、感想をぶちかますのでご注意ください。

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メキシコ編はメキシコの地理や歴史を勉強するにはうってつけのプログラムでした。
エルパソが、ほとんどフアレスと隣接してるだとか、サンディエゴとティファナも隣接してるだとか、どうでもいい知識を覚えましたもの。

大好きなパチョも惜しみなく出てきたしね!
パチョの最後が、最終話で描かれてなかったので気になって調べたら、彼は捕まって服役中に暗殺されたようですね。パチョはもと宝石商だったみたいで、だからあんなにおしゃれさんなんですね!ときめき!

そして、今シーズンには、主役が3人いましたね。メキシコ編を全体として眺めれば、やはり各カルテルの面々がおのおの主人公なんですけど(アマド、チャポ、アレジャノファミリー)、主観的にはDEA捜査官のウォルト、{ラ・ボス}の若手新聞記者アンドレアが主人公。そして影の主人公が、フアレスの警官ビクトル・タピア。
この三人が、最終的に、最終話で「努力したけど報われない」無力感にさいなまれる、という1点の共通項を貫いてくれて、物語が完結するあたりが、非常にメキシコ的観念かなと思いました。
ハンク・ゴンザレスは悪行が暴かれることなく銅像にまでなっててさ~、でも多くの悪人はきっと裁かれることなくのうのうと天寿を全うしてるのが真実。


「努力したとしても報われるとは限らない」という真実は、当たり前なんですけど、それでも「いつかは報われる」と信じていないと、前進できないのが人間なのですよね。だから、たとえ報われなくて、正義を立証できなくて、正義という信念すら揺らいでしまったとしても、「おれは命を輝かせたんだ!」という達成感は持ってほしい。
だからこそのヒーローだから。

そもそも、「麻薬と腐敗が悪で、それを裁く方が正義」と決まったわけではないので、大きな歴史の流れの中で、おのおのが得意でやれることに導かれているだけな気がしました。

ナルコス・メキシコ編サードシーズンからは、そんなことを考えさせてもらいました。

このシーズンはいつにもまして銃撃戦のシーンがすごかった。アレジャノとエルチャポの戦い、マヨ軍の進撃。どうやって撮影するのかいつも不思議です。本物の機関銃をぶっ放しているようにしか見えなくて。
そして、アレジャノの手下のシカリオのアダム、すごい存在感でしたね!あんなのがファミリーに1人いたら、無敵ですよね~
アレジャノたち、最初は倉庫のガレージみたいな家がアジトだったのに、どんどん豪華な暮らしぶりになり、セレブに。すごい変わりようでしたが、末弟のラモンだけがチンピラ風味まま。

そして、序盤からアマドの存在感が半端なく大きくなっていってて謎だったのですが、アマドこそが、史上最高額を稼いだ麻薬王らしいですね、そりゃ、大豪邸も建てるわ。あのきらびやかなセットも、ネットフリックスが建てたのでしょうか?
そんでラスト、キューバ人のモデルみたいな彼女のプロモビデオみたいなエンドロール、問題のラストショットですが・・・

グランドピアノの上にはワイングラスが2脚・・・
それって、単に彼女が恋人アマドを追悼してるんでしょうか?
それとも・・・アマドが生きている?!

思わせぶりでおしゃれなラストの演出もとっても憎いのです!
芹沢由紀子

芹沢由紀子