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ロシアン・ドール: 謎のタイムループのakのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

NDE(臨死体験)を描いたSFドラマだと思っていた。
ループものと見せかけておいて、実はNDEものといった仕掛け。
人は実生活において意識されることがないが、世界をそのまま脳の一部に保管している。そして、死ぬ直前になると、誰しもがその世界の中で後悔や葛藤を反芻し続ける。この物語では偶然、同時刻に死亡した2人の脳がチャネリングしてしまったために「共有世界」が作り上げられた、というわけ。
ループの回数を繰り返すごとにだんだんと減っていく物や人、腐っていく食べ物は脳細胞が死んでいっているため記憶が保持できなくなってしまい、再現ができくなっていっているためではないかと考えた。

この解釈からすれば、この物語は、2人が自分の脳内において、自身の人生に対する後悔を解消し、安らかな眠りにつく、というエンディングを迎えるのが順当なところだと思う(この作品には複数のエンディングが想定されていたというので、そのうち1つはそういったラストだったのかもしれない)。
しかし、この話はそうはならない。

2人は、自分の内面の問題を彫刻することで、”なぜか”生き返ることに成功する。こうなってくると、なぜ、ループ世界が構築されていたのか、その理由が分からなくなる。上述の解釈だと統一的理解ができない。なんだかちぐはぐな感じで、強引なハッピーエンドだ。

これは強引で、ある意味シナリオが崩壊している。
でも、その強引さが、シナリオ崩壊の先にある希望っていうものも結構いいものじゃないかな、と思う。
物語はいつだって整合性さえ保っていればいい、ってもんでもないんだからさ。