ねまる

スローな武士にしてくれのねまるのレビュー・感想・評価

スローな武士にしてくれ(2019年製作のドラマ)
4.0
最新機材を使って、時代劇を撮る、というNHKの企画に、昔ながらの撮影所で働くおじさんたちが奮闘する話。

最新設備を使った時代劇、を撮るのでもいいと思うんだけど、あえてその過程をドラマにしているので、4Kカメラやドローン、スーパースローなどを使ってこんな風に撮ってるんだっていうワクワク感があるから面白い!
空撮映像から、カットなしに寄りに変わる時、地上でカメラを受け止めて、そのまま続けてるんだ、みたいな技術屋への興奮。

ラオウさんが撮る、キングスマンばりのスーパースロー十三人斬りとか、カメラマン凄いし、NHKってやっぱり凄い。

そんな設備を面白がってすぐに活かせる石橋蓮司監督も面白いし、振り回される本田博太郎カメラマンも面白いし、もちろん機材担当柄本佑も、助監督深水元基も、みんなキャラクターが面白い。

そして、斬られ役チーム。
主演の内野聖陽の愛される感じも、それでいてダメなところも、中村獅童の支えもあって、ただ撮るだけじゃなく彼らの物語にもなっている。

昔ながらの撮影所、楽しそうだなぁ!と心から思える全員のプロとしての意識と、団結感。
みんなで一つのものを作る、形に残る、そんなことに一生楽しめる仕事。
そして、彼らのおかげで、コンテンツを、そして時代劇を今でも楽しめる私たち。

「エンターテイメントの前には、史実も道を譲る」by監督 これくらいの心持ちがいいね笑
ああ、時代劇って最高だ!!

くすっとしてしまうエンディングもこの作品の雰囲気にぴったりで大喜びしてしまいました。
ねまる

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