なかずかい

電光超人グリッドマンのなかずかいのレビュー・感想・評価

電光超人グリッドマン(1993年製作のドラマ)
4.4
『ウルトラマン80』の13年後と国産ウルトラマン無き時代に生まれた円谷ヒーローグリッドマン(『ウルトラマンパワード』と同い年)。コンピューターワールドなる現実世界に影響を及ぼす世界で暴れる怪獣と戦うヒーロー。インターネット黎明期の時代でしか誕生し得なかった独特の世界観が持ち味。

世代の作品ではないが、小学生のとき図鑑で『ミラーマン』なんかの他の円谷ヒーローと一緒に存在を知り、サポートメカがロボットだったり現実の街でなくコンピューターワールドという世界で戦うだったりというウルトラマンとは異なる本作の設定に魅せられ、中学生の頃に初めて視聴した。中学生の当時は中学生の3人が主人公ということもあり、特撮はいいけどドラマはまあそんなもん、みたいな印象を持っていたが、今見てみるとドラマも中々に良い。主人公が結構俗人的な行動取るだとか、仲の良い女の子に密かに思いを寄せるだとか、ちゃんと中学生の視点が描かれている。それでいて責任感に溢れた3人が挫けることなく39話戦い抜いているのが兎に角良い。
そう39話。そもそも怪獣がコンピューターワールドで暴れると現実でなんか訳の分からん超常現象が起こるという荒唐無稽なプロットでちゃんと39話も用意してきたところがすごいのだ。そしてこれだけの長さをこのプロットを走りきったことが最終回で武史が味方になってくれる展開に重みを増しているのだ。お前よく39話もつまらないことに腹を立てて怨嗟を募らせ怪獣作ってきたよな。でもお前がもう独りでなくなって私も嬉しいのは多分結構良い笑顔浮かべるから、あと怪獣のデザインがイカしてるから。

ガスが街中に充満する回でお母さんがちゃんと窓の隙間をガムテープで目張りするとか、そういう細かいところもちゃんとやっているところが荒唐無稽な超常現象溢れる本作のリアリティを担保してくれているように思う。
グリッドマンがちゃんと全編通してちゃんと「夢のヒーロー」をやっているのも好きポイント。足怪我した子供の応援したりとか。
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