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梨泰院クラスのRISAのレビュー・感想・評価

梨泰院クラス(2020年製作のドラマ)
4.0
ー 社会的コンプレックスの弱さと強さ。

きらびやかで自由な街、梨泰院。
そんな街から、
様々な社会的コンプレックスを
抱えた若者たちが仲間たちと抱く夢に
信念と気合いで立ち向かっていく物語。

「今、私たちの学校は・・・」に続いて
見始めた韓国ドラマだったんだけど、
本作が多くの人から愛される作品である
理由をひしひしと感じられて。

っていうのも本作に登場する人物たちは
マイノリティな人ばかりで。
前科者、社会不適合者、バイセクシャル
施設育ち、家庭内格差、外人差別、、
(日本じゃコンプライアンスの問題で 
発信できない題材なのかもしれないね)
そんな社会的コンプレックスを抱えた
若者たちの心情や気持ちの変化や成長を
16話からなるドラマシリーズとして
1話、1話とても繊細に描かれている上に
伏線が散りばめられているストーリーで
おーそうきたかーなんて単純に驚く展開。
(ドラマ「半沢直樹」を見たときにも
似た感情だったな、土下座の件とかもね笑
※日本版は会長役を香川さんが演じるって
まさに「半沢直樹」すぎるよね笑)

なにより、主人公のパク・セロイっていう
仏様みたいなキャラクター像には
見てる側も救われたり学ばせてもらったり
魅了される部分が多くて。
(誠実さの強さや正しい“怒り”の表し方とか)
理想主義者と言われていたけど
理想を現実にしていく彼の
ひたむきでパワフルで正しいタイミングで
正しい決断をできる人物像こそ
多くの人間から信頼され、愛される人物の
条件なんだろうなと。
(加えて、多くを導く上司の理想像だよね)

そして本作の魅力として感じたのは
メインキャラクターとなる若者たちを
育てた親の教えの数々。
「堂々と信念を貫け」
「善悪の境界は曖昧。秀でたものは明らか」
「正義と悪の見分けは勝ったほうが正義だ」
作中にもあったけど、
子供は親の背中をみて育つものだろうから
本作に登場する“親たち”のキャラクター像を
若者たちを通して見るのも面白くて。

もちろん自分の人生を決めるのは自分。
だけど数々の選択をするときに、
そばにいる人々の存在に影響に受けて
人生は変わっていくし、
人生が変われば自分も変わっていく。

人生をかけられる何かに出会えた若者は
すごく輝いて見えるし、
同じ時間を過ごしても、何をしたかで
時間(人生)の濃度は変わっていくんだよね

私はマイペースに淡々と日々をこなす
マジョリティな人間だからこそ、
梨泰院クラスに勤めている彼、彼女たちが
すごく魅力的に感じてしまう。

ー商売がなくなれば人もいなくなる。
ー人がいるから商売ができる。
同じ商売人でも利益重視な現実主義な彼と
信念重視な理想主義の彼。
もちろん、現実主義じゃなきゃ
大企業のトップには立てないだろうけど
皮肉にもトップを維持し続けるためには
信念をもった愛される理想家でなければ。

自分の意思と信念を大切に。
そして幸せになることを決して諦めずに。
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