ノラネコの呑んで観るシネマ

愛の不時着のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

愛の不時着(2019年製作のドラマ)
4.6
最終回観了。
痒いとこまで手が届く、贅沢な完結編だった。
金持ちだけどワガママなヒロインが、旋風に乗って落ちた先はオズの国ならぬ北朝鮮で、やって来たのは北の魔女じゃなくてイケメン軍人さん。
ここに描かれる北朝鮮は、もう一つの世界線というか、主人公の成長のための舞台なんだな。
いわば異世界ものに近い構造で、ホンモノの将軍さまが激怒するくらい荒唐無稽ではあるんだけど、フィクションとしてはギリギリ納得できるリアリティライン。
主人公カップルが、二つの国の上流階級で、それゆえの特権と生き辛さがあり、家族との葛藤でそれを描くのも上手い。
おかげでラブストーリーから始まって、田舎の人情もの、軍隊コメディからスパイサスペンスまで全部入りの大メロドラマになった。
入り口は「オズの魔法使い」で成長のお膳立てをして、あとは東アジアの情緒たっぷりに家族ドラマで泣かせ、最後は「愛しい」を前面に「七夕伝説」に落とし込む。
いやーお見事!