まだ視聴途中ながら、かつてないほどハマって観ている。いわゆるマクチャンドラマという類のようだが、苦手だと思っていたけれど、今作と『SKYキャッスル』に関しては、緊張感溢れる脚本と絶妙なキャストたちの演技、美しい美術や衣装などあらゆる面でキレキレのテンションが漲っており、感心させられる。
『SKY〜』が主に子どもの受験を媒介とした争いから派生する事件などを描いていたところ、こちらは究極的に一組の夫婦の壮絶な愛憎劇という感じで、つよ〜いストーリーラインが途切れることなくピンと張り詰められているから、観るものを引きずり込むような引力があるのだと思う。
強気な、若く美しい愛人、ダギョンや主役のソヌの周りの人々（いつも覗いてる隣人、同僚医師たち、ダギョンの両親やその取り巻きなど）もそれぞれ印象的でも、やはりソヌとその夫、テオの物語であり、ふたりのキャラの強さとリアルな言動などが気になって気になって仕方がない。ダギョンも息子のジュニョンも所詮脇になってしまう強さよ（溜息）💦
凄く気になって、心が痛むのは、圧倒的被害者が、一度は勝っても社会環境や地域の特性によってやがて悪者のように扱われる理不尽さ、そして手に職をもつ自立した女性に向けられる憧れと相反する嫉妬と憎悪のような強い反発心というか。。。ソヌは過去のトラウマから時に逸脱した行為に及んだり、それ以前にも多少正し過ぎて周りを疲れさせる部分があるけれど、基本的には間違ってはいない（子どもの人格を認められなかったところはよくないけど）。そういうキャリア女性の生真面目な厳しさがキム・ソヒの凛とした姿にはピッタリで、本当に美しくて溜息がでるけれど、同時に悲しみも感じる。
後半戦が楽しみです。最後まで熱く鑑賞します🔥
そして昨日（2022年1月7日）最終回を迎えました。皆さんも書いておられるように最初回はちょっと微妙。クズ元夫が取り返しにくるのは予想できたにせよ、一応最低限の愛着はあった息子があの場面で愛想をつかして失踪するのはちょっと不自然。しかも一年音沙汰なしでしょう？ 高校生くらいならまだしも。でも、その後の元夫婦の正常感は納得できた。また、その静かな暮らしから生まれたらしい諦めと息子に関してのみの微かな希望というか。とにかくこの暗く熱い不倫家庭オペラとでも言えそうなムードにすっかり飲まれてしまった。早く配信サイトの見放題に入らないかなぁ。また観たい。
結局ソヌが守りたかったのは、自分とその尊厳てことかしら。もちろんエゴイストではあるけれど、その必死さが韓国らしいし、正しさを求める姿勢も含め、嫌いになれない。心に残るドラマになりました。
