高校2年生の安楽岡花火は、幼い頃より家族ぐるみでの交流があり「お兄ちゃん」と慕っており、教師となって担任として赴任してきた鐘井鳴海に想いを伝えられず悶々とした日々を過ごす中、鳴海は同僚の皆川茜に想いを寄せていることに気づく。一方、花火と同級生の粟屋麦は以前家庭教師をしてくれた茜を男関係に奔放と知りながら、恋心を抱いていた。花火と麦はお互いの叶わぬ恋心を知り、その淋しさを埋め合わせるためだけに交際を始める。それぞれが周囲を傷つけながらも満たされない感情や欲求と向き合っていく『推しの子』の横槍メンゴ原作のドロドロメロドラマ。

アニメ視聴済み。

アニメとほぼ同時期に実写ドラマ化された本作。主題歌も同じサユリの『平行線』。アニメ視聴後にドラマ視聴。

ストーリーの大筋は大差はなく、プロットに関するレビューはアニメ版を参照されたい。

アニメとドラマを比べるとこちらはアニメ版の方がよかったと思う。

実写向きな内容とはいえ、深層心理の表現が極めて重要で、実写映像化は難しかったと思う。

また、アニメの方がせりふが多く、やや説明的で冗長に感じるところもなくはないものの、逆にドラマの脚本は大事な部分までセリフが端折り過ぎている感じがした。

※例えば、皆川茜の自分語りで原作とアニメでは
「（友人の彼氏を奪って）私の中に生まれた感情は、罪悪感じゃなかった。薄っぺらい優越感でもなかった。こんな風に「搾取される側」には死んでも回りたくない。」
とあるが、ドラマでは前半の下りが省略され、
「こんな風に「搾取される側」には死んでも回りたくない。」
で終わっている。

あと、性描写の点で設定年齢に近い俳優をキャスティングできなかったのかもしれないが、麦役以外の高校生は高校生に見えない。お兄ちゃんも皆川茜もベテラン声優が演じていたアニメ版と比べると、解釈が大きく違うのか、演技力の問題なのか、違和感が強かった。

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