天才チェスプレーヤー少女は、酒と薬に溺れていた。
Netflixリミテッドドラマシリーズ。海外ドラマは、長期化する傾向もあるので謙遜しがちですが、本作は7話しかないので、非常に見やすいです。
物語は、交通事故で母親を亡くしたエリザベス・ハーモンは、養護施設に入る。そこでは薬物投与がされており、ベスは依存症になる。ベスは施設に馴染めずにいたが、用務員・シャイベルからチェスを教わり、チェスにのめり込む…というもの。
チェスのルールが分からなくても楽しめます。それはこのドラマが、天才少女が生きるためにチェスに全てを捧げた狂気の物語だからです。ベスは、母親を亡くし、施設で馴染めず、自分に合ったのはチェスだけ。全ての時間をチェスに使い、生きるためにチェスに没頭します。その姿は、常人には理解されず、ベスの周りから人が居なくなり、精神を保てなくなります。
彼女は、養護施設でドラッグを覚え、義母からアルコールを覚えます。彼女が極端なものに走ったのは、彼女は普通の生き方をしてこなかったので、誰かと遊ぶというものが分からなかったのです。
彼女がチェスでのし上がっていけばいくほど、精神が荒んでいく。天才と狂気は紙一重なのか。ハラハラとドキドキが最終話まで続きます。
最終話では、悲惨な終わり方をするのか…?と不安な部分もありましたが、幸せな終わり方をして良かった。冷戦期のロシアに、少女が単身で乗り込むというのも、時代を考えるとハラハラドキドキでした。ベタではありますが、これまでの仲間が、ボルコフを倒すために知恵を出し合うというスポコンの王道な展開をしたのも良かった。
重いドラマではありましたが、惹きつけるものがあり、1シーズンで終わる名作でした。