このレビューはネタバレを含みます
人のポリシーや価値観のしなやかさを考えさせられる作品だった。
人のパフォーマンスはその80%を環境要因が占めるという定説があるが、母性もその対象である、ということなんだろうか。
先天的ではなく、後天的。
努力やその人の意思決定次第で変えることができるということ。
母の後を追うかに見えた清華だったが、自らの命を賭して、大きなキッカケを掴み、母とは少し違う形で歩を進めた。
律子も全く違う形で変化し今を謳歌していたし、義理の母も「ルミ子さんは自慢の娘だ」と最後には言うように、
その時、その状況、そしてこれまでに培っていきた環境や能力でその人の在り方(母性)は変わる。
一方で、「キッチリさせないと気が済まない」や「命を繋いでくれてありがとう」と言った台詞には脈々と母から娘へ受け継がれていくものもあって。
変化を伴って徐々にしなやかになっていくだけでなく、変化に負けず残り続ける人のしなやかさも感じた。