冗談を織り交ぜた軽快な商売トークでしっかり心を掴まれると、今度はスローモーションの逃走シーン。強く引き込まれるあまり、口が開きっぱなしになってました。
そして、こんなにもオーシャンカラーシーンがカッコ良く響いたことがこれまでにあったんでしょうか……ここで使われるために生まれてきた曲なんじゃないのと思うほど雰囲気と、主演の4人にマッチしていました。汗で錆びついたギターをかき鳴らしているのがじりじり感じられるほど。しびれました。
主演4人の雰囲気がとても好みでした。イギリス人に生まれると手にできるのか知りませんが、天性のスマートな佇まいと何故かそれと共存する馬鹿っぽさが彼らにも見えて、カッコいいなあと羨ましく思いました。多額の借金を抱えても、くよくよせずなんとかしようと考え出すところは最高にクール、順調に事が運ぶとわかれば酒を浴びるように飲みまくり潰れるのは愚かさ丸出し。まだ自分がかなり若いから思うのかもしれませんが、彼らの生き方ってある意味最低だけど最高に魅力的だなと思います。毎日なんとか必死にやって生きている感じ、ため息がでるほどカッコいい。
それにしても何より驚いたのは、出来過ぎなほどのストーリーテリングです。散りばめてからのまとめ方が異常にうまく、終わり方もいい。ほんの少しの「ズレ」が派手に歯車を狂わす様は観ていて爽快で、たまにくすっと笑ってしまうところもあったりして釘付けにしたまま離さない。とても面白かったです。
イギリス特有のクールで洒落た空気感が最高にカッコいい作品でした。僕はイギリスの音楽がかなり前からとても好きで、そこに通じるものが感じられたのもありぴったりはまりました。
あと何か見たことある人が出てるなと思ったら、スティングでした。あなた俳優やっていらしたんですね……
