舞台は近未来。何やら重病を患っているらしい男がとある実験的診療を受けることに、というところから始まる話。
主演がマハーシャラ・アリ、共演にはナオミ・ハリスやグレン・クローズやオークワフィナなどで、このキャスト陣が物語をバッチリ彩る。これまたとくにあらすじや予告編なども見ずに鑑賞。Appleオリジナル作品は導入部分からワクワク感があるイメージ、で見てるうちにちゃんといろいろ判明していくしわかりやすい内容が多いしで、もはや安心のクオリティー。そんなこんなでジャンルやら何やらあまり詳しくは記したくないんだけども、今作はクローン技術にまつわるストーリー。主人公の愛や喪失、そのエモーショナルなドラマに加えて、本物と偽物とが交錯するスリラー的な展開に、生と死、人間の生命を考えさせるようなSF要素というのも少々。たまに時間軸もいじりつつ、やがてトラブルやらも起こってしまうわけだけど、ハートフル一辺倒と見せかけてじつはハラハラドキドキな流れ。勝手にシュワちゃん主演の『シックス・デイ』とかマイケル・ベイの『アイランド』とか思い出した、まぁそっちとジャンルは全然違うんだけど、こーゆーのテーマとして映画で度々取り上げられてる気がする。
なかなか斬新な設定だなと思う反面、考えるとちょっと実験の内容というか行程が非現実的というか、そんなまどろこっしい方法取らんでも他にやりようがあるんじゃないか、とか思ってしまったんだけど、それ含め不穏な雰囲気をしれっと醸し出していくあたり、ミスリードを誘うあたりがじつは見事。ストーリーがどの方向へ転ぶか読めないというおもしろさが終始あったりする。ジャンルのことはとくに考えず、しかし勘繰りつつ見てほしい一本。静かな雰囲気で魅せる近未来モノ。
