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探偵マーロウのHKのレビュー・感想・評価

探偵マーロウ(2022年製作の映画)
3.4
チャンドラーのマーロウ物っぽい雰囲気と時代色はそれなりに出ていたものの、それ以上の何かは感じられず。
波の大きなニール・ジョーダン監督作ですが、今回は可もなく不可もなくで、これまでに観たマーロウ映画の中では記憶が長続きしそうにありません。

フィリップ・マーロウの探偵小説を読み漁ったのは40年以上も前。
しかしながら、本作の原作『黒い瞳のブロンド』はチャンドラーが書いたものではなく、アイルランドの小説家ジョン・バンヴィルがベンジャミン・ブラック名義で2014年になって発表した小説だそうで、どうりで知らないタイトル。
『長いお別れ』の公式続編(?)で、キャラも一部被っているとか。

そう言われて本作を観ても、私の記憶力ではどのキャラが被っているのやらサッパリ。
原作には登場しているらしい『長いお別れ』のマーロウの飼い猫(映画『ロング・グッドバイ』にも登場)も今回の映画には出てきませんが、そこは出してほしかったなあ。

過去に2度マーロウを演じたことがあるロバート・ミッチャムは『さらば愛しき女よ』当時は57歳、『大いなる眠り』当時は60歳で歳を取りすぎていると言われましたが、今回のリーアム・ニーソンは2年前の撮影当時すでに68歳で大きく記録更新。
それでもアクション映画も現役のニーソンが当時のミッチャムより若々しく感じるのは時代か。

マーロウのファンでもなく、ニーソンの無双アクションを期待したファンには、本作は地味すぎて不評のようですが、まあ当然でしょう。
でも製作サイドがそういうファンからも好かれようとすると、ポワロに銃を持たせてしまったりするわけです。
前にも書きましたが、いつか刑事コロンボあたりがリメイクされるときには、ダーティー・ハリー並みに44マグナムのS&Wを撃ちまくってるかもしれません。

本作は今度ゆっくりと原作の方を味わってみたいと思います。
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