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鬼平犯科帳 血闘のHKのレビュー・感想・評価

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)
3.8
昨年公開された『仕掛人 梅安』シリーズと同じく池波正太郎生誕100周年記念の一環で製作された新メンバーによる新作劇場版。
実は劇場版に先駆けて放送されたTVスペシャル『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』が微妙だったので本作は少しハードルを下げて臨んだのが正直なところ。
でも嬉しい誤算で、劇場効果の加点もあるとはいえ本作は十分楽しめました。監督はTV時代劇のベテラン山下智彦。

私は池波正太郎の時代劇は『仕掛人梅安』シリーズが原作小説も映像化作品も大好きですが、『鬼平』シリーズは昔のTVシリーズを拾い見した程度で全く詳しくありません。
でもそんな私でも王道の時代劇を楽しく鑑賞できました。
『仕掛人』シリーズ同様に出てくる料理(芋酒や“五鉄”の軍鶏鍋)も美味そう。

いつの間にか50代になっていた十代目松本幸四郎演じる鬼平もそれなりの貫禄。
密偵おまさを演じる中村ゆりという人を私は知らなくて、この役には若すぎるだろうと思っていたら、なんと40代と知ってビックリ。いやキレイ。
それなら鬼平との歳の差も違和感ナシか。30歳そこそこにしか見えませんでしたけど。

やっぱりベテランの火野正平や柄本明が出てくると画面に安心感がありますね。
しかし今回一番印象に残ったのは極悪人の網切の甚五郎を演じた北村有起哉。
こういう悪役がいてこそ鬼平や火付盗賊改の存在が引き立つというもの。
志田未来もなかなかイイ感じでした。

鬼平の松本幸四郎と若き日の鬼平を演じる市川染五郎の親子共演も話題ですが、もう一組の親子共演は柄本明と柄本時生。
火付盗賊改方の同心・小野十蔵を演じる柄本時生はTVでも本作でもえらく地味でしたが、ラストでいきなりその名前がクローズアップされ、6月8日に時代劇専門チャンネルで放送される続編「でくの十蔵」へと続くもよう。

さらに7月6日には「血頭の丹兵衛」が放送予定。
映画とTVが連動してのリレー、続きが楽しみ。
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