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内海の輪のHKのレビュー・感想・評価

内海の輪(1971年製作の映画)
2.8
“ないかいのわ”と読みます。
先日亡くなった中尾彬(当時29歳)が岩下志麻(当時30歳)の相手役として初めて主演に大抜擢された作品と聞いて鑑賞。
松本清張の原作なので推理サスペンスかと思いきや・・・
なんと謎解きも何もないドロドロの不倫劇でした。

お互い妻や夫に出張だクラス会だと嘘をついて旅行先で密会、観光地の名所めぐりをしつつも双方のエゴと愛憎の果ての悲劇へ一直線。
いちいち観光地のテロップが出るものの暗い話なのであまり宣伝効果は無さそう。

不倫ドラマですから濡れ場は多く、その手が得意な三国廉太郎(岩下の夫役)が加わりドロドロ描写はより濃厚に。
たしかに岩下志麻の美貌と熱演(怪演?)やまだ悪役メインじゃない頃の二枚目路線の若い中尾彬はしっかり確認できますが・・・見所はそれだけか。

他にもまだ若い夏八木勲(当時31歳)や赤座美代子(当時27歳)なんかもチラリと出演。
監督は『津軽じょんがら節』などの斎藤耕一。
脚本の山田信夫と宮内婦貴子は自分たちのシナリオが全面改訂されたと抗議して騒動になったんだとか。
私の思った方向と違ったとはいえ、サスペンスも希薄な火曜サスペンス劇場というか、全体的にパッとしない印象の作品でした。
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