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月曜日のユカのHKのレビュー・感想・評価

月曜日のユカ(1964年製作の映画)
3.8
このジャケ写のどぎついピンクと妖艶な加賀まりこは本作のイメージとちょっと違うような。

ユカ(加賀)は横浜のナイトクラブの売れっ子、パパ活とは別に若い彼氏もいて誰とでも寝ると評判なのにアッケラカンと無邪気で全くいやらしくない不思議な女の子。
当時20歳の加賀まりこは本当に人形か妖精みたいでしかもカッコよくて、若い女性は他に何人も登場するのに一人だけ全く別次元。

気になったまま観るタイミングを逸していましたが、先日亡くなった中尾彬(当時22歳)は本作が実質デビュー作と聞いて、追悼も兼ねて観てみました。ユカの彼氏役です。
加賀はキュートなアヒル口、中尾はゲンコツでも入りそうな大きな口が印象的。
中尾彬の若い頃はまだあのドスの効いた低音ヴォイスじゃないことを発見。

パパ加藤武の当時の実年齢はなんと35歳ということはあの白髪は老けメイクか。
それでもやっぱり実年齢よりはかなり老けて見えますが。
ユカの母親役の北林谷栄(この母親の娘への教えが今や大NG)は珍しく老婆役じゃないので逆に若く見えます(当時53歳ですが)。

監督は『狂った果実』の中平康。
日本のヌーヴェルバーグ作品と言われるのも頷けるモダンで独特な雰囲気。
ポップでコミカルなシーンも多くとても印象的な作品でした。
ようやく伝説の本作をみるキッカケを作ってくれた故中尾彬氏に合掌。
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