このレビューはネタバレを含みます
原作知らずにこれを見ても「わー何この映像凄ーい」で終わるだけの気がする。THE BATMAN より劣るけど雰囲気重視映画。
そんな感じなので、映像に力かけて作ったことはよく分かる。実写で表現しようのない xxxHOLiC な世界観をがんばってるところも、実写ならではで表現しようとしたところはよく分かる。どうせがんばるなら、IMAX にでもすれば良かったのにとは感じる。IMAX にしたらよかったのにとおもうくらいには、CG やセットや、侑子の髪飾りと服装はよくできてた。女郎蜘蛛はもう最高に良かった。吉岡里帆ちょっと最高に好きすぎる。
予告の時点で、原作からは乖離してるだろうから、原作のことを忘れてみようとしてみたんだけど、原作のさまざまな設定やキャラをがんばってぎゅっとしてみた結果、意味不明なものができあがって、原作知らないと「それ何」としか言いようのない何かになってしまった。とくに、侑子は原作でも四月一日にあまり説明しないけれども、この映画の中ではもって何も言わないので、どうしても意味不明。
そして、キャラ設定や話の流れが根本的に違うので、違和感がスゴイ。四月一日のお母さんぽいの出てくるのアウトじゃないのとか、死ぬはずのヤツを助けてるとか(結果的に壊れてるけど)。あれも壊れるんじゃなくて、最後まで気がつかないだけで、話の流れおかしくなってるのと、全ての引き金が女郎蜘蛛の所為みたいになってて、そこまで強キャラかの違和感もスゴイ。
そんな感じで、ぎゅっとまとめにまとめた脚本が、原作と乖離しているにもかかわらず、原作をつまんでいないと意味不明な局面がたくさん出てきてツライ。4/1 なんて誕生日の記憶しかなかったけど、エンドレスエイトのように自分が何かに気がつくまで延々とループしちゃうのツライ。話の流れ的にこれもありかなと思ったけど、中途半端に原作のルートがあったりするので、違和感をどうしても感じる。
特にキャラ設定において、四月一日のまわりはいつでも酒飲んでぐだぐだしてるだけの話ばっかりなのに、侑子の二日酔いシーンが一つあるだけなのとか、四月一日が悲壮感漂う部分と家政夫シーンばっかりなので、本来は口悪くいつも百目鬼を罵ってるようなところもないと違和感しか残らない。どうせ、悲壮感漂うとこメインにするなら、THE BATMAN のように、完全にそっち路線だけにして、画ももっと暗いまま雰囲気重視でいって良かった。
ひまわりだって、もっと常にただ笑顔がヤバイだけのキャラだったのに、ちょっと自分の生い立ち分かって不幸を振りまいてるキャラだったり、個人的には玉城ティナは人選ミスってるんじゃないかとしか思えない。他コスプレ感そこまで満載にするなら、ちゃんとツインテールに縦ロールぐるっぐるに入れて欲しい。
この映画は出演者がつよすぎる。つよすぎるのに、使い方まちがってるか、人選まちがってる感じあるの多いので、なんか勿体なかった。
ただ、吉岡里帆。あんたは最高だ。最高すぎる。「え、吉岡...里帆...?」と最後まで自信が持てないままずっと見てたけど、それくらいよくできてた。この映画の色気を全部担ってる。とちゅうに過剰すぎるとこあって、ちょっと素に戻ったけど、そこ以外はずっと最高だった。もっとずっと出てきて欲しい。
それ以外は、あんまり興味持てなかった。雰囲気だいぶ近づけるためにがんばってであろう柴咲コウも悪くないけど、なんか違う。下手に原作知らなきゃ良かった。二日酔いシーンが一番色っぽいのも勿体ない。
神木きゅんは、もうなんかいつも通りだわ。彼ならコメディいけんだから、ふつーの四月一日できたろうに。
あ、一瞬しか出てこなかった橋本愛は、多分座敷童なんだろうけど、まったく座敷童から離れてたけど、キャラとしては最高に美しかった。もっと出てきて良かった。
日頃の日常的な、四月一日、ひまわり、百目鬼の学校生活と、飲んだくれてる侑子とその取り巻きがあることで、シリアスな物語に意味が持てる感覚がどうしてもある。そうなってくると、やっぱりドラマでしか実現できない何かだったんだろうなーみたいになる。その場合、吉岡里帆の出番少ないの残念すぎる。
本来、モコナと異世界の話があったうえでの、侑子と四月一日で、話も変な感じなので、そこを取っ払ったのは正解だと思うけど、それにしても、2時間にやたらと突っ込みすぎて、主軸がずれてしまったと思う。なんか勿体ない。
