しょっさん

LAMB/ラムのしょっさんのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気ホラーの傑作。日本人はあまり好きそうじゃない。

設定がとにかくいかれてる。時代も何もよくわからないけど、舞台が最高すぎる。アイスランドなんだってのは、だいぶ後で分かるけど、なにもないことが、この子羊をとてもいじらしいものにさせているし、この夫婦の異常性を高めてくれる。

雰囲気ホラーなのに、暗いシーンなし。暗いというのは雰囲気じゃなくて、いわゆる「夜」がない。白夜。夏至のシーズンだと思うんだけど、向こうだとそんなに夏じゃないのかな。

ともかく最初から最後まで、ものすごく淡々と過ぎていく。章立てされていて、3章まである。

1章はとにかく羊。こんなに動いてる羊みることないっていうくらいに羊を堪能できる。たんたんと羊生まれていくな、みたいな雰囲気になる。この羊本物なのか、CGなのか、なんなのかわからないけど表情含めてずっと不思議な感覚がある。

2章は謎の弟。さすがに異常だと思うこの子羊をどうにかしようとするけど、そうだよね撃てないよね、かわいいもん。

3章で、この子羊の生まれた経緯が判明する。判明するんだけど、えっじゃぁお父さんは何。みたいになる。そのまま終える。

予告の時点で、半羊半人なんだろうと予測していたけど、全くそのとおり。それに関しては、予想通りすぎてアレなんだけど、時間がゆったりと過ぎていくことがただただ恐怖。しかも、何事もなかったようにただただ受け入れていくことが怖くていい。

この異常さをただただやばいと思って見てられる人には楽しいだろうけど、この異常性を楽しめない人には、苦行だったと思う。現に隣の人、ねてたし。

私にとって、この異常な生活をじっくり見られたことが、ともかく良かった。

しかし、結局、この弟はなんの伏線があったのか。