しょっさん

サイレント・ナイトのしょっさんのネタバレレビュー・内容・結末

サイレント・ナイト(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

日本のコメディホラーかってくらいの、流れと滑りっぷりが小気味よい。

まず、何はともあれキーラ・ナイトレイも随分年をとってしまったんだなと年齢確認したけど、まだ 37歳だった。不思議な気分。デップの娘でもあるリリー・ローズ・デップと雰囲気似てて、親子っぽさあるのも変な感じ。

話は、いわゆる終末系。なんらかの原因によって発生した毒ガスにより世界が汚染され、人々が淘汰されていく。その苦しみから逃れるために、政府は苦しまずに死ねる薬を配布。人々は週末から逃れることなく、そのピルとともに運命をともにするが。

途中から「コメディなんだ」って気がつくまでは、結構真面目に話が進んでると思ってしまい、これは一体どういった感じで人間が打ち勝つんだろう。ではなく、週末を受け入れた、ふつーっぽい家族たちが、死を受け入れる話。ただ、それでも息子の一人であるアートは、どうにかして生き延びたいと考えるが何もできず、途中ですでに死を選んだ家族を目の当たりにし、その時点で少し及んできていた毒ガスを浴びてしまう。死を目の当たりにした所為か、毒ガスの所為か、発狂するアートを家に戻す。最終的に血まみれになり、すでに死んだと思った家族は自分たちだけピルを飲むが、アートは最後のシーンで目を開く、という完全にジャパニーズ・ホラー。

終末系で、人々がそれに打ち勝つ物語ではなく、それを受け入れた人たちの話という着眼点は面白い。そんなクリスマスをどうにかして楽しんで受け入れて過ごそうとしているギャップと「あ、これはギャグなのか」と理解するまでのタイムラグ。何度か見ると楽しくなりそうだけど、そんなに何度も見る気はない。あと、状況が状況なので、ちょっと笑いにくい。こういった映画にありがちな、アメリカンジョークを飛ばす、というコメディではなく、コメディシーンを再演してしまうという方式をとっているので、シリアスなシーンにニヤリとするどころか、その笑いを受け入れにくいという感じ。まぁ、それでも劇場では笑ってる人いくら書いたので、それはそれで正解だと思う。

とりあえず、時間も短いし、スパッと終わるし、想定した感じの流れだし、最初からコメディと割り切ってみたら楽しめると思う。素直に楽しめなかったのは、なんも知らずに見た、私の責任です。