このレビューはネタバレを含みます
原作歯抜け、ラストは見てる・知ってる、アニメもほとんど見てない。ぶっちゃけバスケが好きじゃないので、そこまで入れ込むこともないまま、それでもみんなの名前はそれなりに覚えているので、それだけメジャーなものだったんだろうという記憶。
話は、これまで脚光の当たることがあまりなかった宮城中心。なくなった兄との記憶とバスケ。懐かしのロンゲ三井との話も含めて、それらがすべて山王戦とともに語られている物語。スラムダンクといえば、にもかかわらずアニメ化されなかった最後の試合が描かれている。
冒頭にも書いたとおり、バスケもスラダンもそこまで好きじゃないけど、中身を知っていてもこの話は胸熱すぎて素晴らしく良いでしょう。原作を知っていれば特に。原作を知らなくても、山王がインターハイでヤバ気な相手だということはよく分かるし、各自、ちゃんといちいち必要な過去は掘り下げられて語られている。流川以外。花道もお前本当に主人公だったんかくらいのサワリしかないけど、まぁ立ち位置はよく分かる。それにしても、宮城中心にここまで描いてくるとは思いもしなかった。井上雄彦が脚本も監督もやっているので、これが見せたかったことなのだろうと理解して、解釈しました。
前評判は声優も変わったこともあったり、情報が後出しだったり、なにも前情報がなかったりで炎上したものの、フタを開いてみれば、良い結果でしょう。これなら原作厨にも満足のいった内容では。そして、アニメも見てきて歯痒い思いをした人にはとくに最高の作品でしょう。しかし、あれだけ長きに渡って描かれた山王戦がギュッと縮まって描かれているので、なくなっているものも多いようです。
あのやたらめったら長い山王戦、アニメなら1クール潰しても良いだろうものを、エッセンスと見どころをギュッと潰して、テンポよく進めていったのは正解だったでしょう。映像として足りなかった部分を、こうやって映画で昇華するのが井上雄彦の想いだったのかなとか勝手に感じてました。
いい話だし、演出も導入もいいし、CGアニメも不気味の谷は超えられていたし、おっさんどもが涙流して感動しているのも頷けます。まぁ、元ネタが良かったので、外しにくいというのもあるし、ライバル二人の将来や、最後の最後の写真まで、オチも良かったです。映画として山王戦を描くなら、本当良くできていた映画だったでしょう。
ちなIMAX で見たんですけど、IMAXの必要性をあまり感じることはできなかったくらいかな。ただ、評価の割に人が入っていない感じしたけど、どうだったんだろう。気の所為かな。
