しょっさん

すずめの戸締まりのしょっさんのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

小説版読了。小説版を読んだときに感じたことと同じ通りになっていた。
https://bookmeter.com/reviews/109238375

まぁだいたい想定通りの新海誠作品で、今回も RADWIMPS のPV。にしても、タイトルを入れるタイミングが最高すぎる。悔しいけど、素晴らしい。OPとEDとメリハリがしっかりしてる。

結論として、大画面映像で見るべき作品で、IMAXクラスでしっくり来ると感じた。広大な空や、圧倒的な震災直後の映像は、見るとトラウマになりかねない人には推奨できないが、とにかくあの映像で圧倒されないと意味はない。あの圧倒感で、脚本の酷さをすべてごまかしてる。

似たような系統で、ストーリーはあれなんだけど、映像や音でごまかしてる作品として「竜とそばかすの姫」がある。あれは音というか、歌でごまかしてる作品だけど。あのストーリーは、現実的な話なのに、とても非現実的な進め方をしたがために、受け入れにくいとか突っ込みどころが満載になってしまった(好きな映画ではあるんだけど)。

すずめの戸締まりも「なんで、すずめ(だけ)が」というツッコミどころに対して、(1)常世に行ったことがある (2)常世から戻るときに一度草太を見ている、という裏付けを一応準備したことで回避している。蒼汰に対して惚れっぽすぎるじゃんというのも、むかし常世で見た面影があるからかもしれない。ついでに、そもそもが現実離れしているので、ある程度の脱線も気にならない。話の流れはつまらないんだけど、映画の場合だと、戸締まりしに行くタイミングがテンポよくやってくるので、思ったより中だるみはしなかった。このへんは、テンポを作ることのできる映画ならではの解決法だったと言えよう。

常世で、子供のすずめと成長したすずめを逢わせることで、すべてのつじつまを合わせができる話にしたポイントは良かった。最後に全て、何か許された感じになる。

見ることに関しては、とても気苦労がある。前提としての大地震や、親を失った経緯と、4歳の娘。鳴り響く緊急地震速報の音。この辺はトラウマになっている人には、多分ツライ。音も違うんだけど、緊急地震速報の音は、かなりしんどかった。

声優陣もよい。深津絵里、最高にハマってるし、神木きゅん、名前見ても信じられなかった。ちゃんと演技できる俳優さんをあてていたり、抑えるところは声優さん使ってたり、彼らの演技力がなければ、この作品は駄作化してたとも思えるので、良かったと感じています。

まぁ、とにかく映像だよなぁ。家で見ても、同じ感覚を得ることはできないだろう。IMAX どセンターで見てきてよかった。

君の名は、と比較して、わかりにくいところが少ないので、こっちのほうが人に推しやすいかな。地震のとこだけ大丈夫なら。