ヤーミール

RRRのヤーミールのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

RRR見た!!!!!!めちゃくちゃ面白かった!!!!!!!!!
血が騒ぐなら旗をかかげろ!!!!!!!!!
とにかく3時間全てのシーンがものすごいので脳みそがキャパオーバーして記憶が混濁してしまうくらいすごすぎる。ラーマとビーマの友情は最強。大英帝国は反省しろ。何もかもがすごいので本当に神話級というかラストのほうはゴジラKOMみたいな荘厳な映画になっちゃってすごい、これは現代に蘇った神々が繰り広げるインド神話だ、魂が震えるぜ!!!!!

過酷な潜入捜査の中で大義のために同胞を傷つけざるを得ない場面に何度も直面したせいで知らず知らず志を失いかけていたラーマと、自然豊かな村の中で生きてきて広い世界や大義を知らなかったビーマ、正反対の二人が出会って互いに感化された結果同じ目的に進んでいけるようになり、共通の敵をぶっ飛ばしたあと、ラストで様々な困難や偉人たちの活動の末にインド独立が成し遂げられたことが示唆される、圧巻の映画。正反対のふたり互いに惹かれ合う友情が好きなので、ラーマとビーマの熱い友情にしびれた。

ラーマが独房に入れられてるときにバガヴァッド・ギーターの「行為の結果を求めてはいけない、行為そのものに専心しろ」みたいな一節が引用されていて興奮した!ラーマとシータは『ラーマーヤナ』だと思うし、ビーマは『マハーバーラタ』が元ネタらしいし、他にもシヴァ神とかドゥルガー女神とかインド独立にまつわる歴史とか、詳しく知ってると楽しいんだろうなと思う点が散見されたのでぜひ本とか読んで調べてみたいと思った!

冒頭10分ぐらいのマッリちゃんが買い叩かれてさらわれるシーンがなんというか話が早すぎて「さすがインド映画、話が早いぜ…!!!」って気分になった。お手並みが鮮やかすぎる…!ガサツになりかねないところなんだけど大英帝国は極悪(世界史的共通認識)なのでスムーズに話が進む。日本もアジア諸国にやらかしちゃってるのでそら抗日映画とかこんな感じにされるわな…と思った。

スコットの屋敷に突入して動物たちを放って襲撃するシーン、前フリとして動物の捕獲(「the Water」でトラを捕まえてるところ)や餌の手配(ビーマの弟がデカい肉を運んでるところ)のシーンがあるところ、大乱闘の最中にビーマも見境なく動物たちに襲われてるところ、神のご加護で動物たちと意思疎通できるとかそういうわけじゃないのがリアル志向だな〜と思った。でも動物たちの暴れっぷりはめちゃくちゃ盛ってある。

「ビーマの歌は民の心を武器にした」あたりで暴力革命の否定の話になるのかなと思ったらそんなことはなく、神話級戦士2人で大災害級の暴力をお見舞いした上で武器もまんまとぶんどっていてすごかった。ラーマが村に武器を持って帰ったとしても一部族の開放闘争にしかならないから「自分たちだけ武器を持っても仕方ない、みんなで協力して戦わなければ」ということなのかな?

ナートゥのシーンもめちゃくちゃキレキレでかっこよすぎた。刺激強めのインドのダンス!!!嫌味な英国紳士を含めてみんなで踊るダンスバトルになって爽やかに終わったのもよかった。嫌そうな顔してドラム叩いてた黒人のドラマーさんがナートゥのリズムを楽しそうに叩いてくれるあたりとか、白人に抑圧されてる有色人種同士のシンパシーなのかなと思った。女性もそういう意味では男性に抑圧されているもの同士ラーマやビーマにシンパシーを感じている…ということなのかな。ナートゥの場面とかビーマがバイクの修理にイチャモンつけられる場面とか、「英国女性のリアクションに対して英国男性が(恥をかかされたと思って)ブチキレてインド人をいじめる」場面が何度かあって、ジェニー達はこういうのが地味にストレスだったのかも、自分に直接被害なくても気分悪いよね…。

ビーマが独房からラーマを救出するシーン、ナートゥのリズムでラーマの位置を見つけ出したり最強の肩車だったりめちゃくちゃ熱かった。ビーマがラーマに弓矢と衣装を用意してシヴァ神に変身させるシーンかっこよすぎる!!!

最後に総督府が大大大爆発するシーン、想像の100倍くらい大爆発してくれてめちゃくちゃ嬉しくなってしまった!!!景気が良すぎる!!!!!鉄線に囚われた総督夫人、「銃弾の真価」を叩き込まれた総督、2人の死に様もあまり残酷になりすぎなくてドカンと死んでてよかった。エドワードくんも死ぬときはサックリ死んでたしね…。

とにかくいろんな部分がリッチなのですごい!キャラの設定も、火や水のエフェクトも、アクションも、街も、村も、みんなの衣装も、建物も、家具も、大量の民衆エキストラも、祠も、動物のCGも、火薬と爆炎の量も、何もかもとにかく過剰なおもてなし精神が溢れており、安っぽいということがない!!!画面がすばらしく豪奢で圧倒される…!!!!!燃えさかる炎の中からこちらを射ってくるラーマかっこよすぎる。とはいえ完全に神話ファンタジーだったバーフバリと比べると、RRRは随分リアル寄りというか、「そうはならんやろ〜〜〜なっとるやろがい!!!」感は薄めで、「ワア〜〜〜ッそうなっちゃうんだな〜〜〜〜〜!?!?!?」って感じだった。いわゆる心象風景的なダンスもなく、あくまでも現実の風景がものすごいことになって登場人物たちの気持ちを代弁してくれる感じ。

最後にEテレのセットみたいなところでラーマ&ビーマ&シータで仲良く踊ってるのがめちゃくちゃ可愛くてよかった!劇中ではおしとやかな感じのシータがめちゃくちゃ楽しそうに踊っててお茶目で魅力的だった!途中で出てきた白ひげのおじさんはラージャマウリ監督御本人らしい(めちゃくちゃ踊れるすごい監督)。
ヤーミール

ヤーミール