磨

勝手にしやがれ 4Kレストア版の磨のレビュー・感想・評価

3.5
ヌーヴェル・ヴァーグ=1950年代後半のフランスで始まった、20歳代の映画作家たちによる、自由奔放な映画作りの動き。“新しい波"の意味。

そんなヌーヴェル・ヴァーグの旗手であるジャン=リュック・ゴダールの代表作であり、映画を変えた不滅の金字塔である『勝手にしやがれ』。1960年に公開された本作のオリジナルネガに徹底的なレストアを施した作品。
2021年9月6日に永眠した主演のジャン=ポール・ベルモンド主演のモノクロ映画。

警官殺しの自動車泥棒がアメリカ娘と逃避行するという”勝手にしやがりすぎる”物語。オチは付くが、それ以上でもそれ以下でもない(笑)

本作のオリジナルのレビューを何度か目にし、コメントのやり取りも含めてずっと観たいと思ってました。…が、正直に申し上げると劇場鑑賞の機会は永遠に無いと思っていたので、結末まで全部知った上での鑑賞でした。

演出などに斬新さが全く感じられずむしろ古臭さを感じるけど、考えてみればこの作品から発生した“波”が未だに残っていることを考えたら、映画業界にとってかなりエポックメイキングな作品だったのは理解できる。

「海が嫌いなら、山が嫌いなら、都会が嫌いなら…、勝手にしやがれ!」
この映画史上にも残る名言と、新しい映画を作ったというヌーヴェル・ヴァーグの定義と完全に一致。なんか変なとこで感動してた(笑)

とはいえ、やはり内容(主人公)に全く共感できないのでスコアに関してはこんなもんかな…。


本作で有名なのが、ジュリーで有名な沢田研二の同名楽曲のタイトルと歌詞の元になったというトリビア(内容とは関係ない)

♪寝たふり~してる間に~、出ていってくれ!
アア アア アア~ア アアア〜♪
磨