sayana

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのsayanaのレビュー・感想・評価

4.4
『スイスアーミー・マン』のダニエルズ監督作!前作は見事に(良い意味で)騙されたから、前情報ばっちりで意気込んで観たけど、やっぱり裏切られた…!ダニエルズの創造力、恐るべし…。
マルチバースの世界観が現実にあり得るんじゃないかと思うくらい綿密で、思わず自分にも違う宇宙で過ごす自分がいるんじゃないかと信じてしまうほど。
くだらないことをする度に違う宇宙の自分をチャネルできるっていう発想がいかにもダニエルズで、エヴリンたちが(あのミシェル・ヨーが!)体を張って、全力でバカなことをするのに笑いを堪えるのが大変だった!こんな作品がアカデミー賞受賞したっていうのが本当素敵よね!エヴリンは別宇宙では大女優になっているっていうメタ要素も面白かった。
個人的には宇宙最強の敵ジョイの葛藤にすごい共感した。自分への自信のなさや期待に応えられない罪悪感からすべて投げ出したくなる気持ち、すごい分かる。もう何もかもどうでもよくなるんだよね。「Nothing matters」って。でもダニエルズはそれを面白おかしい方法で救ってくれていて。バカバカしさの中に究極の優しさを感じて、笑ったのと同時に涙が出てた。
ウェイモンドに癒されるし、ワン家全員が輝いてる映画だった。そして、これが全員アジア系ってことに何より救われる。
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