ハム

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのハムのレビュー・感想・評価

3.5
感想が難しい、でも嫌いではない。

個々の要素を見ると、SF要素にカンフーに下品な描写に全部盛りのB級感しか無いのに、全体を通して見ると何故か綺麗に纏まってて予想以上に優等生的な映画だった。まさにアカデミーが評価しそうな作品。

奇想天外なストーリの裏では一つのメッセージが常に存在していて、観終わった時にスッと心に入ってくる不思議な映画。

どんなに最強の能力を兼ね備えていても敵わないのに、優しいだけの夫の力がきっかけになったのが良かった。
優しさは誰もが持っている平凡なモノだけれど、つい忘れがちで、常に持ち続けられるという事は紛れもなく最強なんだろうな。

こうしてれば良かった、そうすれば今こんなはずじゃ無かったのにと後悔するんじゃなくて、どうせなら今ある状況の中から意味のある瞬間を見つけて幸せに生きていった方が賢明だよね。それに今の自分で居られるのは紛れもなく自分だけだから。まあ実際にはこう簡単には受け入れられないけどね。

子が落ちない様に止めるだけじゃなくて、一緒に落ちてあげる母良かったな。
寄り添える家族が素敵。
ハム

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