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時計じかけのオレンジのハムのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.7
冒頭の描写があまりに酷すぎてかなり不快だったが、最後まで観ると案外楽しめたので、評価されている映画だけある。

自分に酷い事(劇中ではリンチ、いじめ、家族を殺害)をしてきた人が、自分には絶対手出し出来ない状態で目の前にいるという状況下で、手を出さずにいられる人間が一体どれだけいるのだろうか。暴力を排除するには特別暴力性の強い人をどうにかすれば良い訳じゃ無い。大きさは様々ながら誰もが暴力性を持っている。だからこそ暴力を完全に無くすことを考えるのではなく、上手く付き合っていく必要があるのだと思う。
実際、私たちの生活の中にも例えばボクシングとか、殺し屋映画とか暴力を利用した娯楽は色々あって、そういうのを好きなのは多少なりとも暴力を楽しんでる節がある訳で、それらが全部無くなったら耐えられない人の方が世の中多いんじゃないだろうか。まあでも獄中生活で更生するのかという点には賛成するが。

個人的には犯罪助長映画というよりは寧ろ逆な気がするけど、実際に事件は起きてるみたいだし、メッセージ性を上手く読み取れないと駄目なのかもしれないな。後鑑賞時の精神状態は大事かもしれない。気分が落ちてる時に観たら悪い方に引きずられそう。

一番嫌だったのは警察官になった元メンバー達…アレックスとほぼ同レベルの犯罪を犯しておきながら罰せられないどころか、今後も警察という立場を利用して悪事を働き続けそう…
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