ハム

ライトハウスのハムのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.3
ただ内容だけでも十分過ぎるほど恐怖なのに、意図的な白黒映像と画面サイズにより、窮屈で不気味な雰囲気が一層強調されていて、何とも居心地の悪い映画だった。

どこからどこまでが現実で虚構なのか。昼間は仕事の主従関係により険悪な2人が、夜になり酒を飲むと嘘の様に打ち解け、時には一線をも越えそうになるその様は、とても滑稽であると同時に狂気に満ちていて、観ているこちらまで気がおかしくなってしまいそうだった。だけど何故か惹かれるし面白い。料理のくだりなんて最高。

理解度で言えば神話の知識などは無いし、男性性を象徴しているらしいのも言われれば確かにそうかもしれないという程度で難しいことはよく分からなかったが、色々な場面で暗さと明るさの対比を使うことで、テーマである"狂気"が上手く表現されていたなと思う。

ウィレム・デフォーが出てると聞いて観たが、あの迫力と絵面の強さは流石だった。そしてそれに負けず劣らずしっかりと演技で対抗していたロバート・パティンソンに驚いた。登場人物ほぼ2人きり、しかもかなりフォーカスした映像で長時間耐えうる演技は2人とも見事だった。
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