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すずめの戸締まりのymrのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

至る所に違和感がある、キレイで感動的な映画

最後によかったところ書くので、最初は貶します。

最近では新海誠あるあるみたいになっていますが、男と女がいたらすぐくっつくのは何なのか
過去の作品ではもっと丁寧だったが、ここ数年のものは男と女がいたらすぐ惹かれ合うんだ!みたいな
まぁ「君の名は」はそういう「運命の赤い糸」を表現したものではあるけど、他はちょっと…。
今回のはひどかった。「イメケン…」でいつの間にか色々投げ出すほど好きになってる。
正直、狂ってると思いました。
二人の間に何があったの…??と。

あと、ダイジンって顔してるな、って意味わからなかったのはわたしだけ?

「すずめのこになる?」でダイジンとすずめは、すずめが小さい時のすずめと環を表しているということがわかるわけだが。
だが…。
だから、どうした?という感じ。
なぜダイジンは小さい時のすずめのように振る舞ったのかさっぱり。
すずめとイスから逃げ回っていたのはなぜ?
ダイジンが実はいいやつというオチはみえみえだったから多分扉を案内していたという風にするんだろうなと思ってみていたけど、結局、扉を案内してるようには見えなかった笑
嫌がって逃げ回ってただけ、の方がしっくりくる。そのためにイスにしたわけだろうし。

いやそもそもなんでダイジンは嫌がって飛び出したのにまた戻ったのか?
ダイジンにとって何もなかったのに大人しく戻るのはなんでだったのか?
すずめを好きだったのはなぜなのか?
みみずをたおしたら雨になるのはなぜなのか?絵面の問題かもしれないけど、土降ってこないとおかしくないか?って思った。


う〜ん。
わからなさすぎる。
ただ、大災害をみんな忘れるなよ!というメッセージはよくわかった。

熊本地震は2016年、関東大地震は1923年
熊本のが浅いから九州の要石だったダイジンは小さかったのかな?
いや、イスのおじいちゃんが敬語使ってたから、もっと前から要石をやってるんだろう。う〜ん、じゃあなんで大きさが違うのか…。

イスが要石になったけど、ねこは石像みたいになってたのにイスはそのままイス。
これも統一性がない。
いや、おれはそのままでいイッスよってイスが言ったのかな。なるほどね。

イスとねこが走ってるシーンはとても笑えた。が、映画館で笑ってる人はだれもいなかった。

もっと言えば呪いでイスになったシーンでも笑えた。が、映画館で笑ってる人はだれもいなかった。

ディズニー映画というか、プリンセス映画のパロディのつもりなのかもしれない。
わざわざ呪いと言ったり、起こすにはキスと言ったりしてるから。

なんで戸締まりで地震を抑える設定なのかと思ってたけど、ちょうど3.11が起きた時は行ってきますの時間だったからかと納得。

当時生きていた人たちに感情移入するように上手く作られている。
そしてそれを経験した人たちもいつの間にか忘れている。
いつからかお母さんの形見のイスも放っておいたすずめがそれを表している。
そのくせ、「ここきれいだな〜」っていったチャラ男に「全然きれいじゃない」ってキレるあたり、やっぱりわたしはすずめを好きになれない。

震災当時は「お母さん亡くなって大変だね〜」とみんな他人事だったのに、今では見ず知らずのすずめを親切に助けてくれる人たちもいて、あったかさに包まれた。
自分たちに余裕がないと誰かを助けるって難しいんだよなぁとも感じました。わたしには想像もつきませんが、自分たちのことで精一杯なのは仕方ないことだと思う。



最初に閉じた扉のまわりで水が溜まっていたのは、要石が抜けかけていたからなのかも、と思った。氷が溶けていたのかなというね。まぁなんでこの世に出てきたのかわからんけど。


舞台が九州からだけど、主人公のルーツが3.11にあったのは意外でよかった。


すずめの部屋。応急処置する前。
思いを大事にするから閉じ師はイスに目が行ったのかな〜と思った。
まぁ3点じゃ座れないと思うけど…。


あと、よかったな〜と思ったのは富士山をだしたところ。
すずめ「富士山みたかった〜、見逃しちゃった〜」
クラブのママの子供「お姉さん富士山役ね!」
元々活火山で、たくさんの人が恐れていたのが忘れられているっていうね。つまり、3.11だけじゃなくて、もっとスケールの大きい話ってことだろう。最後の富士山の噴火は江戸時代とからしいですよ。人間のリアルな想像の上限をこえていますが、数十年前の人たちのことを思うように江戸時代の人たちのことも思いたいなぁと考えていました。あんまり他の考察で書いてないのでみんな気付いてないのかなと思います。
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